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ボスポラス・クルーズ
写真はイスタンブル点描として掲載しています。イスタンブルで1日時間をもてあましているのなら、ボスポラス・クルーズはいかがでしょう?10:30ごろ、エミノニュ桟橋から船が出発します。「クルーズ」といっても船はごく普通なので、少々がっかりするかもしれません。それでも天気さえ良ければ、ヨーロッパ側、アジア側両方の港に寄りながらの海峡の旅は、忘れ得ない思い出となるでしょう(ガイド調)。

ここまではよくあるお話ですが、このクルーズの目的が「魚を食べる」ことである点については、語られる機会が少ないようです。
夏休みの時期なら10:30だけでなく午後の遅い時間まで船があるが、「魚を食べる」という今日の目的を果たすには10:30の便が一番よいと思う。船乗り場はエミノニュにならぶ桟橋のうち、ガラタ橋からシルケジ駅方向に向かって2つ目(高速船、ボスポラス海峡、カドゥキョイ、ユスキュダル、ハレムの順にならんでいる)。ダフ屋が大勢いるが、やつらに惑わされず桟橋の建物に設けられた窓口でチケットを買うこと。予約は必要ない(出来ない)。しかし週末や休暇中は混雑する。少なくとも出発30分前には桟橋に着くべき。終点アナドル・カヴァーウ(Anadolu Kavağı:Anadolu Kavagi:「A.Kavağı」と略される)までは1時間半。
船の料金は片道300円弱、往復500円強。往復券の場合、船を降りるとき半券を回収される。残りの半券が帰りのチケットになるのでなくさないように。
いちばん眺めがよく写真やビデオに適しているのは後部デッキ。船は2階式になっているが後部デッキの1階には座席がなくエンジンの音もうるさい。2階部分がお勧め。その2階後部デッキが壮絶な席争いの対象になる。
乗船口は船の中程にあり、そこから2階へ階段がのびているが、この階段から2階へ上がろうとしても幅、重量ともに優れるトルコのおばさんに勝てる見込みはほとんどない。そこで、まずは乗船口から1階を突っ切って1階後部デッキに出る。おそらく右側に階段があり、特等席-2階後部デッキへ上れる。
2階後部デッキに到着するころにはヤキブタのようなおばさんがゼーゼーいいながら2階客室を突き抜けて向かってくる最中だと思うのだが、不幸にして2階後部デッキの席を確保できなかった場合には...。
ドルマバフチェ宮殿やチュラーン・パレス、ルメリ・ヒサールが見えるのは船の左舷。どこでもいいので船の左側の席をおさえよう。
本題の魚をどこで食べるかが次の課題。船が寄港するヨーロッパ側サルイェール(Sarıyer:Sariyer)、ルメリ・カヴァーウ(Rumeli Kavağı:Rumeli Kavagi)、そしてアジア側の終点アナドル・カヴァーウが候補になる。どこも魚料理のレストランはたくさんある。
このうち、ツアー客が大勢降りるサルイェールは料金が高め。同じヨーロッパ側でもルメリ・カヴァーウになると、だいぶん安くなるようだ。ヨーロッパ側で食事をした場合には、バスやタクシーで簡単に市内へ戻れるというメリットがある。
一方、終点のアジア側、アナドル・カヴァーウからイスタンブル中心街に戻る方法は限らている。タクシーを利用したり、いったんヨーロッパ側に渡ってからバスで帰る方法もあるが、結局は来たときと同じ船の折り返しを利用するのが確実(かつ早い)。帰りの船のうち通年運行している便は15:00ごろアナドル・カヴァーウを出港し16:30ごろエミノニュに到着。
個人的にはアナドル・カヴァーウの雰囲気がいちばん気に入っている。時間を贅沢に使う「トルコ的」な楽しみ方をしたい場合、ここまで足を運ぶのは悪くない選択だと思う。船も終点なので降り損ねる心配もない。
夏休みの時期は禁漁期で近海ものは出回っておらず、若干鮮度が劣る。禁漁期があけるのは9月に入ってから。どのレストランも店先に魚を並べているので、魚を食べ慣れている日本人ならばそれほど困ることはない。
どの店も料理の種類はほぼ同じ。是非とも注文したいのはカラマル(Kalamar:イカ)。ほとんどの場合フライにして出され、ニンニクのきいたマヨネーズで食べる。フライではミディエ(Midye:ムール貝)もあるが、少々脂っこいので好き嫌いが分かれる。季節によってはハムシ(Hamsi:カタクチイワシ)が出される。さっと油で揚げたもの(Hamsi Tava)をビールのつまみにすると最高。
メインになる魚としては、鯛の仲間チュプラ(Çupra:Cupra)がうまい。しかし水揚げにより出回らないこともあるし、質も変わる。店頭でじっくり選んでいただきたい。
なお、メインの魚をケチって「2人で1匹」などとすると、いらぬ争いが生じ旅行を台無しにしてしまう。メインの魚はひとり1匹ずつオーダーすることを強く推奨。
魚介類の価格は変動が大きい。2003年秋の時点では、アナドル・カヴァーウのレストランでカラマル、サラダ、イワシ、メインの魚1匹、ワインというメニューが2000円程度という報告があった。
どのレストランもおおむね同じような料金。船が到着するとレストランの客引きが寄ってくるので、料金やメニューの交渉をする(簡単な英語は分かる)。料金は料理、飲み物ともに全部セットで交渉してしまった方が手っ取り早い。