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「ロカンタ(lokanta)=食堂」ぐらいの意味。「トルコはレストランがカフェテリアになっているから便利」という話をよく聞く。こうした店の名前は多分「xxレストラン」ではなく「xxロカンタス(Lokantası:Lokantasi)」というふうになっているはずだ(「ロカンタ」が「ロカンタス」になってしまう点については説明しだすと長い。同じような意味だからとりあえず放置)。
カフェテリア方式の料理の出し方はハズル・イェメッキ(hazır yemek:hazir yemek)と呼ばれている。直訳すると「出来合いの食事」という意味。ショーケースの中に料理がいろいろならんでおり料理名がわからなくても簡単に注文できるので、まず最初に入るのはこういう店だと思う。
「出来合いの食事」という名前から想像がつくように、こうしたタイプの店は高級な店ではない。しかし、決して出される料理が悪いわけではない(観光地はのぞく)。近所の商店や事務所の人が毎日食べに来る店の料理は本当にうまい。
ハズル・イェメッキの店で食事をするときには、覚えておいた方が得をすることがある。並んでいる料理を一皿ずつ注文すると、量が多くて1人では食べきれなくなる。しかし、おかずは多い方がいいというのが人情。
このような場合にはヤルム・ポルシヨン(yarım porsiyon:yarim porsiyon:ハーフ・パーション)というすばらしいルールがあり、2種類の料理を1皿に盛り付け、1皿分の料金で2種類の料理を楽しめるようにしてくれる。さらに、3種類以上気になる料理があったとして「これとこれとこれをカルシュク(karışık:karisik:ミックス)」と言うと、1皿(一人前)にいろいろ載せられた「お子様ランチ状態」の皿を作ってくれる。ただし、ヤルム・ポルシヨンにしてもカルシュクにしても、料理によってはできないものもある。
料理を決めて席に座ると、スライスされたフランスパンがデーブルの上に重なっているはずだ。これは相席の客が頼んだのではなく、勝手に食べて構わないものであり、通常は会計にも上乗せされない。パンには値札シールが付きっぱなしになっていることがあるので注意。店によってはミネラルウォーターもテーブルに並んでいることがあるが、こちらはきっちりチャージされる。
パンと違って会計に上乗せされることになるものの、ピラウ(ご飯)も必ず用意されている。ほとんどの場合バターライスになっているため、不満を感じる方もいるかもしれない。しかし、トルコ料理には不思議とこのバターライスが合うと思う。
観光地をのぞき、ロカンタではビールなどアルコール飲料は用意していない。しかし外国人が頼もうとすると、気を利かせて近所の店まで缶ビールを買いに走ってくれることもある。こうした場合のビールの缶には、新聞紙が巻き付けてあるかもしれない。新聞紙は剥がさないで飲むこと。少なくとも建前としてアルコールを出さないことになっている店では、アルコールを飲む客と同席することを嫌う客もいる。このあたりに、トルコの微妙な問題が隠れている。
ロカンタでは塩味のヨーグルト、アイラン(ayran)がよく飲まれている。はじめは違和感のある飲み物だが、慣れるとやみつきになる人もいる(そうです、実は..)。
ロカンタの営業時間は概して長く、早朝から深夜まで開いている。朝早くや夜中のロカンタへ行く目的はチョルバ(çorba:corba:スープ)である。
しこたま飲んだ夜中にはイシケンベ(işkenbe)がうまい。胃袋を使ったスープで脂っこく、そしてクセがあるが、「飲んだ後のラーメン」に極めて近い感覚。クセのあるスープが苦手な場合や朝食にはメルジメッキ(mercimek:レンズ豆)が無難。
スープを「食べる」英語などと異なり、トルコ語では日本と同様、スープは「飲む」ものである。そんなトルコのスープはうまい。