http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
カッパドキアの陰に隠れ、目立たない地域かもしれません。スルタンハヌをのぞくと交通も不便ですが、カッパドキアとコンヤをめぐる旅の途中で立ち寄るには、魅力のある目的地です。アクサライからネヴシェヒルまではバスで約1時間の距離。
ギュゼルユルトとウフララは訪問したのが1995年であり、その後の情報も少なく自信がありませんが、リクエストをいただいたのでご紹介しておきます。激変してしまうような土地ではないはずです。
コンヤとアクサライの途中、広い平原の中の小さな村。これだけならよくあるトルコのいなかだが、保存状態のよいキャラバンサライが残っている。2時間前後滞在すれば十分に雰囲気を楽しめる。
わざわざ宿泊して訪問することはないが、何軒かのペンションが営業しているので宿泊の必要に迫られる時間帯に訪問してもとりあえず安心できる。
コンヤとアクサライの間のバスは頻繁に走っている。道路状態もよいので、距離の割に時間はかからない。コンヤからは1時間と少し、アクサライからは30分強。スルタンハヌに立ち寄った後は、道路際で待っていればバスは捕まる。予約を入れておく必要性は少ない。しかし心配な場合には、コンヤやアクサライから乗るバスの2から3時間後に出発するバスを予約しておき、荷物もこちらに載せるよう依頼して追いかけさせる方法も使える。
教会の跡がいくつも並んでいる渓谷。陽の射し方によって表情が全く変わるので、魅力的な写真の被写体になってくれる。地元の人曰く「トルコ版グランドキャニオン」だそうだが、これはさすがに誇大広告かもしれない。
渓谷全体を探索すると、だいたい半日かかる。暖かい季節なら食料や飲み物を持参すると楽しい探索になる。冬は...寒いと思う。
ウフララの村から渓谷へは、長い階段を下りることになる。歩く距離も長いので、歩きやすい靴が必要。
村ではペンション数軒が営業している。ただ、いずれの宿も設備は今ひとつかもしれない。ホテルに気を遣う場合は、ギュゼルユルトのOtel Karballaに泊まり、ウフララに日帰りすることを検討した方が良さそう。
ギュゼルユルトとまとめて紹介。
かつてはギリシャ系住民の村だった。トルコ以外の出版物では、昔の名前、KarvaliやGelveriで紹介されることが多いようだ。
同じようなトルコの村と同様、今のトルコ共和国が成立した後の住民交換で元の住民はギリシャへ移され、かわりにギリシャ側に住んでいたトルコ系の住民が移り住んできた。幸いなことに元の住民(の子孫たち)との交流は今も続いているようで、彼らが移り住んでいったNea Karvaliのポスターを見かけることがあるかもしれない。Nea Karvaliはギリシャのテッサロニキとアレクサンドロポリスのちょうどまん中あたりにある。
どこもかなり痛んではいるが、正教の教会の跡がたくさん残っている。街並みにもそれなりの魅力があり、興味があればここで1泊する価値はあると思う。
修道院を改装した宿。ドーム状の天井をしたダイニングなど内装は面白い。豪華ではないものの設備は必要十分に整っていて、神経質な人でも不満は感じない水準。朝食付きのツインがおよそ30ドル。ギュゼルユルトではこのほかの選択肢が限られているのが難点。
本数は少ないものの、ミニビュスが出ている。ウフララもギュゼルユルトも料金は1ドル前後、1時間弱。
タクシーを利用せざるを得ない。距離は約15kmなので、20ドル以内には収まると思う(実は車に乗せてもらって移動した)。
交通手段が不便な地域なのでレンタカーを借りれば旅行の自由度が上がる。レンタカーの手配はネヴシェヒル(Nevşehir:Nevsehir)などカッパドキア方面で行った方が代理店も多く、簡単だと思われる。ただ、トルコの場合レンタカーは割高になる。料金だけを考えるとタクシーで移動した方がずっと安くすむ。
アクサライ周辺の旅ではほとんどの場合コンヤを経由することになる。宗教的に極めて保守的な街で、世俗的なトルコ人は毛嫌いしているほどだ。アルコール類を出す飲食店はほとんどなく、ホテルの部屋でこそこそやるよりほかない。正直言って酒飲みには非常にストレスのたまる街。
「酒がない」こと以外の不満点は絨毯屋の客引きが比較的多いことや、夏の日中は非常に暑くなること。ただ、内陸なので猛暑の夏でも夕方以降は涼しい。
中心街となる通りはメヴラーナ・ジャッデシ(Mevlâna Caddesi:Mevlana Caddesi)。オトガルとこの通りの間には頻繁にドルムシュがある。国鉄の駅からのドルムシュは本数が少ないようだ。タクシーでは約3ドルだった。
メヴラーナ・ジャッデシ周辺に固まっている。中級ホテルの料金は比較的高い方かもしれない。手頃なのはメヴラーナ・ジャッデシ沿いのシーファ・オテル(Şifa Otel:Sifa Otel)だが、朝食付きシングルで20ドル前後からの価格帯。及第点ではあるものの、内容的には特にお勧めできるホテルではない。
「酒飲み近寄るべからず」なコンヤの街だが、うまいものはいくつかある。
まずはフルン・ケバプ(Fırın Kebap:Firin Kebap)。ローストしたラム肉のかたまりで、見かけは脂っこい感じだが、かなりいける。ほろほろ肉がほぐれる食感がたまらない。パンを敷いた上に載せて出されるが、このパンは脂取り用らしい。トルコ人でもパンは残す人が目立つ。
メヴラーナ・ジャッデシ沿いのシーファ(Şifa:Sifa)がフルン・ケバプを試す店としてはお勧め。注文は簡単。ユズエルリ(150グラム)が標準的、少な目でよければユズ(100グラム)。飲み物やサラダを頼んでも3~4ドル程度。当然ながらアルコール飲料はない。
コンヤでは薄い生地のピザ、エトリ・エクメッキ(Etli Ekmek)やドンドゥルマもうまい。これらはフルン・ケバプに比べると食べられる店も多いので、適当に。つくづくアルコール飲料が少ないことが惜しまれる街だ。
メヴラーナ・ジャッデシの東端。緑のとんがり屋根が目立つ。コンヤではいちばんの見どころで、トルコ人観光客は有難そうにメヴラーナの墓に参っている。しかし、外国人には今ひとつピンとこない。ひととおり見学するのに1時間ぐらいはかかる。
メヴラーナ・ジャッデシの西側にある低い丘。公園になっていてトラムウェイが周りの道路を回っている。この丘の周囲に、いくつか見どころがある。
まず、メヴラーナ・ジャッデシから丘を反対側へ突っ切る。途中のアラエッディン・ジャミイ(Alaeddin Camii)はセルジュク朝のモスクで興味があればかなり楽しめるらしい。
丘の反対側に突き抜けると通りの向かいあたりにインジェ・ミナレ・メドレセシ(İnce Minare Medresesi:Ince Minare Medresesi)がある。目印は名前のとおりミナレット。併設の建物は博物館として公開しているが、飛ばしてもいいかもしれない。ここから時計回りに丘の周りを10分弱歩いた左がカラタイ博物館(カラタイ・ミュゼシ:Karatay Müzesi:Karatay Muzesi)。陶器の展示が多数あるほか、ドームの装飾がきれいだ。
これらをひとめぐりしてメヴラーナ・ジャッデシ側に戻るコースを歩いた場合、見学時間を含め約2時間。
コンヤの有力バス会社はコンチュル(Kontur)。サービス水準も及第点に達している。カッパドキア方面へはネヴシェヒルのネヴチュル(Nevtur)。周辺の道路状況は非常によいので距離の割に時間はかからない。アンカラまで約3時間、アクサライまで約2時間、ネヴシェヒルまで約3時間。地中海沿いのシリフィケ(Silifike)への道路は若干カーブが多く、4時間前後かかる。
イスタンブルとの間には時間帯が良くバスよりも断然有利な夜行列車メラム・エクスプレシ(Meram Ekspresi)がある。結構すてきな列車の旅のページを参照。