http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
黒海に面した細長い街でヘーゼルナッツとサクランボが特産。サクランボが縁で山形県寒河江市と姉妹都市協定を結んでいる。少し重たいが、街中で売っているヘーゼルナッツのクリームをおみやげにするとよい。
バスが止まるのは国道沿いの小さな広場、アタパルク(Atapark)。この中にインフォメーションのスタンドがある。とても親切なすてきなお姉さまがいらっしゃるので、たいへん助かる(なお、「とても親切なすてきなお姉さま」が今もいるのか、また現在も「とても親切なすてきなお姉さま」であり続けているのかについては保証いたしかねる)。
国道から直角にのびる緩やかな上り坂がメインストリート。この通りを少し登ると賑やかな一角はすぐにとぎれてしまう。黒海以外なにもないのは土地の人たちも認めているところ。しかし、この街には1泊してみる価値がある。控えめな夜景がなんともいえない。
ギレスンの街は海からすぐ丘になっている。目立っている丘が砦の跡で、公園「カレパルク」として整備されている。アタパルクからは歩いて15分くらい。夕方から夜がお勧め(帰りの道をよく覚えておくように)。
ギレスンの沖にはアマゾネス伝説の島がある。黒海ではただひとつの島だそうだ。夏場に限りアタパルク海側の桟橋から遊覧船が出る。出発は1日2回、1時間くらいのクルーズ。船の出発時刻はインフォメーションで。
海からすぐ険しい山につながっている黒海沿岸。道路は悪く時間もかかるが、距離にすると100kmも進まないうちに避暑地として魅力的な標高2000mの高原(ヤイラ)に達する。ギレスンから山に分け入ったところではベクタシュ・ヤイラス(Bektaş Yaylası:Bektas Yaylasi)、キュンベット・ヤイラス(Kümbet Yaylası:Kumbet Yaylasi)のふたつに、整った宿泊施設がある。
いずれもバザールのそばから1日1本ずつミニビュス(ミニバス)がある。しかし、未舗装の狭い山道をおよそ3時間かけて登る旅なので、車に酔いやすい場合には勧められない。ミニビュス乗り場はとてもわかりにくく、道路事情もよくないことから、出発前には必ずインフォメーションに問い合わせ。
なお、ミニビュスは午前中に山を下り、午後から山に登るスケジュールで運転されている。日帰りはできない。
ホテルはアタパルク周辺に固まっている。
アタパルクの東側(海を背にして左手)すぐ。国道より1本山側を平行する通り沿い。ピンクの建物が目立つ。古い建物だがよく手入れされており、運が良ければ部屋から海が見える。2つ星、シングル約15ドル、ツイン約20ドル(いずれも朝食付き)
アタパルクから上り坂になったメインストリート沿い。設備はチャルクチュよりいいと思う。料金も少し高め。3つ星。
アタパルク周辺には他にもいくつかある。郊外の海沿いにもホテルやパンションがあるものの、車がないと使いづらいと思う。
カレパルクの中にもレストランがあり、夜景を眺めながら食事できる。適当に魚を料理してもらうとよい(厨房を見せてもらえる)。アルコール飲料も置いてあるので、たいへん幸せ。アタパルクの近くではデニズ・ロカンタス(Deniz Lokantası:Deniz Lokantasi)が一番はやっている様子。ごくふつうのロカンタ。
ギレスンにはオトガルがない。長距離バスを利用してもミニビュスを利用してもアタパルクそばの国道沿いで乗り降りすることになる。バス会社のオフィスはアタパルクの山側に並んでいる。
トラブゾン-サムスンを走る長距離バスがたくさん通るが始発のバスは少なく、トルコの帰省シーズンには席が取りにくくなる。隣接する大きな街、トラブゾンやオルドゥまでならミニビュスの方が頻繁で便利。長距離バスより少し遅く、トラブゾンまで2時間半~3時間、オルドゥまで約1時間。
黒海東部では一番大きな街。海沿いに国道が走り、その山側に市街地が広がっている。中心街はアタテュルク・アラーヌ(Atatürk Alanı:Ataturk Alani)という広場で、インフォションもここにある。
オトガルは街の東はずれ。サムスン、ギレスンからのバスは街の縁を通り過ぎてしまうので時間の無駄。アタテュルク・アラーヌに行きたいと知らせておけば中心街まで歩いて10分の国道沿いで降ろしてくれる。Ulusoyの一部のバスはアタテュルク・アラーヌまで直接乗り入れる。
トラブゾンに立ち寄る理由はおそらくスメラ修道院を訪ねるためだと思う。Ulusoy(オフィスはアタテュルク・アラーヌ南東の通り)、Afacan Tour(アタテュルク・アラーヌ東北側)などの主催している日帰りツアーを利用するのがお手軽。
ツアーは9:00頃トラブゾンを出発、ミニビュスでおよそ1時間走り修道院の下まで行く(ここにレストランがある。観光地価格だが、とんでもない値段ではない)。その先は歩き。
ホテル事情はよくない。手頃な宿はアタテュルク・アラーヌ東北側のホテル・アヌール(Hotel Anıl:Hotel Anil)。シングル、ツインとも15ドルくらい(朝食なし)。同等の価格帯ではアタテュルク・アラーヌ東側のヌル(Hotel Nur)、もう少し料金を払ってもよければウスタ・ホテル(Usta Hotel)など。どこもコストパフォーマンスが良いとは思えなかった。
食事についても今ひとつ決め手に欠け「ここは行っておけ!」と言えるところがない。いい街なんだけれど...。
東西に長くて坂が多い、そして道路が狭い!こんな街トラブゾンではタクシーと同じフィアットがドルムシュとして走っていて(ブルサと同じ)、アタテュルク・アラーヌからは市内のほとんどのところへ行ける。街はずれに行っても通りかかるドルムシュはたいていアタテュルク・アラーヌを通るので観光は簡単。
この写真と同じアングルの観光ポスターがトルコでは結構目に付く。これがウズンギョルである。土砂崩れで川がせき止められてできた湖の畔、小さな村には不釣り合いの妙に立派なモスク。酒好きとしてはいやな予感がするのだが...。
ウズンギョルを訪ねる目的は2つ。緑の森の中、湖の畔にモスクが建っているという箱庭のような景色を眺めることがひとつ。もうひとつは湖周辺で養殖されているアラバルック(Alabalık:Alabalik:鱒)をいただくこと。筆者の関心が向けられているのが主に後者であることはご賢察のとおりである。
トラブゾンから日帰りツアーを利用(片道約2時間)。ツアー会社はスメラ修道院と同じ。朝トラブゾンを出発、午後ウズンギョルから戻ってくるスケジュール。黒海沿いに走る国道からウズンギョルへの道が分岐するオフ(Of)からミニビュスがあるものの、オフを出発するのが夕方遅い時間、ウズンギョルからが早朝なので、ツーリストには使いにくい。
アラバルックを食べることがウズンギョルを訪ねる目的のひとつであるだけに、レストランはたくさん並んでいる。ほとんどが養鱒場の直営で、宿泊施設を併設。
いちばん賑わっていてお勧めなのは、ウズンギョルにおける養鱒事業のパイオニア、イナーン・カルデシレル・テシスレリ(İnan Kardeşler Tesisleri:Inan Kardesler Tesisleri)。料理はたぶんベスト、施設はひときわ立派で宿泊用のロッジも快適。宿泊料金は部屋によってばらつきがあるが、10ドルくらいから。
とりわけ夏休みには大勢の観光客が押し掛けるウズンギョル。アラバルックは文句無くうまいし、景色も足を運ぶだけの価値はある。
しかし、どのレストランもアルコール飲料を置いていない。それどころかアルコール類を販売する店すらない。景色が良いという理由だけで養鱒場と湖しかないこの村に宿泊するプランを立てるのは考え直した方がいい。
筆者はトルコ人の観光客とともに3時間近く村中を探した。しかし成果は村はずれのパンシヨンで買い置きされていた缶ビール3本をようやく見付けただけであった。
トラブゾンから東へ80km、街自体には目立った観光地はないものの、典型的な黒海沿岸の雰囲気。この街もやはり海沿いを立派な国道が走り、その山側に街が広がっている。トラブゾンやギレスンに比べると、少しだけ平らな土地が多いようだ。
トルコ随一のチャイの生産地だけあって、いつ行っても雨(雨男なのかな)。傘は是非とも用意したい。
街の山側のはずれ、丘の上にある。筆者は行ったことがないのだが、評判はいい。中心街からのタクシーは片道2ドルぐらいだそう。
どこでもいい(無責任)。この街に泊まるのはいつも温泉地アイデルへのベースキャンプとしてなので、さっぱり関心がないのだ。大はずれも大当たりも聞いたことはない。
長距離バスの発着するオトガルは街の西はずれにあるが、ほとんどの場合、中心街のオフィスまでセルヴィス(送迎)を利用できる。リゼを離れるときにも中心街のオフィスから送迎バスがあるのでオトガルへの足は心配しなくてもよい。珠玉の温泉地、アイデルへの交通手段はアイデルのページを参照。
ほとんどの交通が黒海沿いの国道に集中している。どんなに混雑する時期でも選り好みさえしなければ(選り好みした方がいいが)なにかしらの車が見つかるのは便利。
しかし、街をはずれると片側1車線ずつなので、スピードの遅いタンクローリーやトレーラーに進路をふさがれることしばしば。トルコの帰省シーズンなどにはバスも大幅に遅れることがある。交通量が多いうえ、海沿いの道はカーブだらけで見通しが悪い。レンタカーはお勧めできない。
イスタンブルからトラブゾンへの飛行機は日程をつめたい場合十分検討の余地がある。しかし、予約は取りにくい。
有力バス会社はUlusoy、次いでMetro。詳しくは「オトビュスをきわめる」を参照。
Ulusoyにしておけばまず間違いない(少なくともそのルートでは一番マシ)。特に、イスタンブル-サムスン、アンカラ-サムスン、イスタンブル-トラブゾン、アンカラ-トラブゾンの便はトイレも付いたネオプランの豪華バスで、休憩の時には心おきなくビールも飲める。酒飲みにとってこれはうれしい。
その一方、同じUlusoyでもリゼやホパなどに発着する便はバスが少し貧相になる(たぶんメルセデス。きれいにしているけどね)。黒海の旅は長い。うまく豪華なバスに乗れるように旅行のルートを作った方がよいだろう。
黒海沿岸をはじめトルコの東部では、オトビュス(大型バス)はイスタンブル行きやアンカラ行きなど長距離を移動するものと理解されているようだ。短距離でも乗れないことはないが、本数は限られ使い勝手が悪い。
100キロ前後の移動の場合には、もっぱらミニビュス(ミニバス)が使われる。この地方のミニビュスは10人前後が乗れるワゴン車(たいていはフォード製)で、屋根のキャリアに荷物を満載していることもしばしば。
このミニビュス、長距離を走るドルムシュのようなイメージの乗り物。予約は不要、席が一杯になったら発車、ということが多い。途中での乗り降りはもちろん自由、料金もオトビュスより安く便利ではあるが...。
問題は途中での乗り降りが多く時間が読めないこと(たいていオトビュスより時間はかかる)、車のメインテナンスが悪いこと、狭くて乗り心地が悪いことなど。
選ぶことができるのならオトビュス(大型バス)に乗った方がよいだろう。しかし、黒海東部ではミニビュスしか選択肢のないことも多く、また混雑する時期の長距離バスは短距離の客を断ることもある。
1996年の夏、アルトヴィンから乗ったトラブゾン行きのミニビュスはリゼの手前でトランスミッションが故障。半日近い修理ののちなんとか動き出したが、トラブゾンまで200キロちょっとの道のりに10時間以上かかってしまった。「これも旅の楽しみ」と言えるようになりたいものだが(笑)。