http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
エフェス近くの街セルチュク(Selçuk:Selcuk)とアイドゥン(Aydın:Aydin)の間にゲルメンジッキ(Germencik)の街はあります。目指す温泉はここから山に入ったところです。
温泉の正式名称はアランギュルリュ・テルマル・テシスレリ(Alangüllü Termal Tesisleri:Alangullu Termal Tesisleri)。ゲルメンジッキの街には温泉の看板がたくさんあり、ゲルメンジッキで温泉(kaplıca:kaplica:カプルジャ)と言ったら自動的にここを指す。所在地は一応、ボズキョイ(Bozköy:Bozkoy)という村。しかし、温泉周辺にまとまった集落はない。
「山中の一軒宿」ではあるものの、敷地は広大で施設も充実している。まず、大浴場は男女混浴、女性専用の2つ。このほかサウナの設備がある。いずれの風呂も宿泊客は無料で利用可能。また、日中はマッサージ師もいる(マッサージは別料金)。
客室は広いバルコニー付きのゆったりした部屋が中心で、もちろん温泉が引かれている。通常の備品のほか、バスローブが付くところが温泉らしい雰囲気。暖房は温泉を利用した床暖房だ。4本もある源泉のおかげで「湯が余って余って仕方がない」状態。
宿泊料は原則的に2食付きの料金体系で、ツインで約5600円。シングルの部屋はないので、1人の場合3割程度割引された料金でツインの部屋を使うことになる。食事は夕食、朝食ともにバイキング形式。
ゲルメンジッキからやってくると、温泉のほんの少し手前に絵になるオスマン橋が見える。温泉からこの橋が見えるところまで歩くと10分前後、散歩にはちょうど良い感じだと思う。橋を渡ってみたい場合には温泉入口の詰め所で道を聞いてみる。分かりにくいが橋に続く小道がある(歩きやすい靴で行くこと)。
温泉の周りにめぼしい見どころはないが、天気さえ良ければトルコらしい丘陵地帯を歩くのは悪くない。温泉の敷地には、聖母マリアも浸かったといわれる(真偽の程は定かではない)古い浴場跡が残っている。
どこから来るにしてもまずはゲルメンジッキの街を目指す。ゲルメンジッキはセルチュクとアイドゥンのほぼ中間にあり、セルチュクとの間はほぼ1時間おきに(40分程度、約200円)、アイドゥンとの間は頻繁に(30分弱、約150円)ミニバスが行き来している。
セルチュクの周辺にはエフェスの遺跡やシリンジェなど観光地はあるが、道路の幹線からは外れている。トルコ各地との間を移動する場合、高速道路が通っていてバスも頻繁にあるアイドゥンを経由するのが便利だ。
アイドゥンからはイズミルまで1時間強(約400円)、デニズリ(パムッカレへの経由地)まで約2時間(約600円)。どちらもほぼ30分おきに運行されている。アイドゥンからはアンタルヤ、マルマリス、ムーラ(ダルヤン方面)、フェティエなど隣接する地域へのバスが2~3時間おきにある。また、イスタンブルやアンカラへの直通バスもある(が、イスタンブルへはデニズリから、アンカラへはイズミルから寝台車を利用した方がラク)。
アイドゥンからのバス会社はパムッカレが本数も多く、サービスも良い。パムッカレの便がなければキャーミル・コチを当たってみるとよい。
このほか、デニズリとセルチュク(さらにはイズミルまで)を結ぶ国鉄もゲルメンジッキを通っている。本数は少ないが国鉄の駅も街の中にあり、この区間なら所要時間もバスと大差ない。時間帯さえ合えば利用価値がある(料金はバスよりもぐんと安い)。
ゲルメンジッキの街から温泉までの交通手段は少し厄介。温泉のパンフレットにはゲルメンジッキから9kmと書かれているが、ミニバスの発着所や国鉄の駅がある国道沿いからはもう少し遠いようだ。温泉への道は国鉄の駅の裏手(北側)から続いている。
運が良ければ温泉(アランギュルリュ・テルマル・テシスレリ)の送迎車が来ている可能性もあるが、ほとんど期待できない。温泉の近くボズキョイの村へ行くミニバスもあるが、本数は少なくこれも当てにできない。
結局、ほとんどの訪問者は温泉までタクシーを利用せざるを得ないだろう。ゲルメンジッキの街から温泉までのタクシーは約2000円かかり、1人の場合には結構な負担だ。タクシー自体は簡単に見つかる。
温泉からの帰りはホテルに送迎車の出発時刻を聞いておくとよい。従業員の送迎も兼ねて、ゲルメンジッキの街との間を少なくとも1日1往復はしている。