http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
現金は市内の両替商に比べると若干レートが劣る。トラベラーズ・チェックは市内の銀行と変わらないが、条件の良い銀行を選べない点が不利。ATM は税関の手前、税関の後の両方にある。さしあたり5000 円相当のトルコ・リラを入手しておけば、市内までタクシーを利用しても十分間に合う。
税関(ほとんどチェックなし)から到着ロビーへ出て右側の奥。イスタンブルの地図とトルコ全土の地図を入手。普通の観光ならこれらの地図で十分。空港で地図を入手できなかった場合、市中のオフィスを利用。観光客に便利なのは以下の3 カ所。営業時間は9:00 ~ 17:00、日曜休み。
トラムウェイtramvay(トラム)が走る通りの南側、Pudding Shop(レストラン)のはす向かいあたり(鉄格子に囲まれていて動物園のおりのようだ)。周辺には堂々と「i」マークを掲げる旅行代理店があるので注意。
ヨーロッパ側の国鉄駅。入って左側のホームに面している。
タクシム広場から大通りジュムフリエット・ジャッデシCumhuriyet Caddesi を北に7 ~ 8 分歩いた右側。ヒルトンホテル入口のアーケードにある。
どこもトルコとは思えないほど高く、買い物は期待できない。カフェテリアでもビールは約600 円(許し難い)。たばこだけは定価。
ハフィフ・メトロHafif Metroとトラムウェイtramvayを乗り継ぐ方法が便利。
まずは空港の地下からハフィフ・メトロを利用。空港の案内標示は「Light RailSystem」「Rapid Transit」の2 種類あり、空港駅の駅名はハヴァリマヌHavalimanı。5駅め(約10分)のゼイティンブルヌZeytinburnuで、エミノニュEminönüあるいはカバタシュKabataş行きトラムウェイに乗り換え、30分弱。なお、空港駅にはエスカレーターがあるが、ゼイティンブルヌは階段での乗り換えになる。
運賃はそれぞれ90円。アクビルAkbilも利用できるが、空港駅では販売していない。スルタンアフメットではトラムウェイを降りるやいなや「客引き」に遭遇するので覚悟。ハフィフ・メトロは深夜1:00近くまで運行しているがトラムウェイの終電が早く、この乗り継ぎを利用できるのは空港発23:00過ぎまで。どちらも基本的に通勤電車なので座席は少なく、通勤ラッシュには混雑する。
スルタンアフメットから空港へ向かう場合、ゼイティンブルヌではなくアクサライ(トラムウェイの停留所はユスフパシャYusfpaşa)で乗り換えると、座れるチャンスが増大する。このほかスルタンアフメットのホテルの多くで、空港までの有料送迎バスを手配できる。みやげ物で荷物が重い帰国間際なら、こちらが便利だ。
ヨーロッパ側の新市街、タクシムへはハワシュHavaş(空港シャトルバス http://www.havas.com.tr/)。運賃はバスの中で徴収(600円)。途中、バクルキョイBakırköy、アクサライ、シシャネŞişhane に止まり、終点のタクシムまでは30分前後。空港発5:00の後、6:00 ~ 23:00まで30分おき。タクシム発は6:00の後、7:00~23:30まで30分おき。
旧市街で比較的ホテルの多いアクサライへも、ハワシュのタクシム行きバスを利用。アクサライでバスを降り、進行方向に進んだ立体交差の交差点がトラムウェイの走る通りだ。なお、タクシム発空港行きのハワシュに、途中のアクサライから乗車することは難しい(アクサライの停留所がわかりにくい)
スルタンアフメットまで1400円前後、タクシムまで1600円前後。スルタンアフメットへの運賃は、ホテルの位置によって大幅に変わる。0:00~6:00は深夜運賃になり、5割増。早朝に到着した場合には6:00まで待った方が得だ(同じように待っているトルコ人が必ずいる)。
通常は乗り場に切符売り場があり、それぞれに専用のビレットbilet(切符)やジェトンjeton(切符代わりのコイン)が用意されている。しかし、バスの場合には大きなバス停をのぞくと切符売り場がない。観光客の利用が多いのは比較的大きなバス停なので切符の手持ちがなくても困る場面は少ないが、必要に応じて切符の買い置きをするか、後述のアクビルを用意。
市内交通の共通プリペイド・チケット。いちいち切符を買う手間も省け割引もあるので、イスタンブルに数日間以上滞在するなら最初に購入。中華料理のレンゲを小さくしたような形をしていて、一端に取り付けられたICチップに支払った金額がチャージ(入金)される。使い方はJRのスイカと似ているが、改札機などにかざすだけでは駄目で、接触させる必要がある。
タクシムTaksimやエミノニュEminönüなど主な市内交通の発着所で販売していて、窓口には「Akbil Satış Noktası」の表示がある。初回購入時には500円程度のデポジットを徴収される(返却すると返金される)。チャージする金額は好きなように選べるが、まずはデポジットと同額程度をチャージしておくのが無難だろう。バスの入口や乗り物の改札口にあるアクビルの機械では利用するごとに残額が表示されるので、必要に応じて追加チャージする。
アクビルを利用できる交通機関は以下の説明記事を参照。
ヨーロッパ側旧市街のアクサライAksarayからエセンレルEsenlerのオトガルを通り、空港までを結ぶ電車で、一部区間は地下。アクサライ駅はトラムウェイのユスフパシャYusfpaşa 停留所に隣接。アクビル利用可。
トラム。ボスポラス海峡沿いのカバタシュKabataşから、新市街と旧市街を結ぶガラタ橋(ガラタ・キョプリュスGalata Koprüsü)そばのエミノニュEminonu国鉄シルケジSirkeci駅、スルタンアフメットSultanahmet、ベヤズットBeyazıt、アクサライAksaray、トプカプTopkapıを経由し、郊外のゼイティンブルヌZeytinburnuまでを走る。途中のユスフパシャYusfpaşaと終点のゼイティンブルヌでハフィフ・メトロに接続。終電はエミノニュ発0:00。アクビル利用可。
復元された19世紀の古い車両を使用したトラム。タクシムTaksimからテュネル乗り場まで、イスタンブルいちばんの繁華街、イスティクラル通りİstiklal Caddesiを走る。全区間乗っても約10分(歩いても20分前後)。15分前後の間隔だが、スピードは遅く単線なので時間は読めない。しかし、雰囲気はすばらしい。アクビル利用可。途中の停留所では切符を売っていないので注意。
ガラタ橋の新市街側、カラキョイKaraköyから、わずか数百メートルを走る地下鉄。終点でイスティクラル通りを走るトラムウェイに接続。19世紀に建設され、世界で2 番目に古い地下鉄ということになっているが、笑ってしまうほど距離が短く、1分前後で終点に着く。旧市街から新市街への移動に使える。終電は21:00。アクビル利用可。
近距離なら100円弱。ヨーロッパ側のエミノニュEminönüがいちばん大きな桟橋。どの航路もイスタンブルらしい雰囲気を楽しめるが、景色の良さではエミノニュ-ユスキュダルÜsküdar を勧める(約15分、頻発)。日没寸前にこの船に乗り、ユスキュダルに近い灯台クズクレシKızkulesiを訪ねるとよい。ユスキュダルへはベシクタシュBeşiktaşからの便もあり、タクシムのホテルに泊まっているならこちらの方が利用しやすい。エミノニュからはアダラルAdalar(プリンセス諸島) への船もある(片道1 時間半)。ハイダルパシャHaydarpaşa(アジア側鉄道駅)やハレムHarem(アジア側の長距離バス乗り場)への路線、ボスポラス・クルーズの船についてはそれぞれの項目ごとに記載。白地に黄色の帯が入った船は、ボスポラス・クルーズをのぞきアクビル利用可。
中心街の路線は限られているが、観光客にとっても便利な路線がいくつかある(下記)。距離の長いタクシム-カドゥキョイKadıköy 間をのぞき、運賃は150円前後までの範囲(現金払い)。
市内をくまなく走っているが、ルートはわかりにくい。大きな停留所ではアクビルの販売や案内をする窓口があるので、目的地へ行くバスの番号を聞いてから利用(メモ用紙必須)。事前に切符(またはアクビル)を用意しなければならないİEETのバスと、車内で現金払い可能なバス(オゼル・ハルク・オトビュスÖzel Halk Otobüsü)の2 種類ある。いずれもアクビル利用可。
ヴァプルと重複して運行されている区間が多い。アクビル利用可。ヤロワYalovaやバンドゥルマBandırmaに行く長距離線は、「イスタンブルからの交通手段」の項目を参照。
国鉄の郊外電車。ヨーロッパ側、アジア側の両方にある。シルケジ駅からクムカプKumkapı(魚市場)までは観光客も利用しそうだ。アクビル利用可。
タクシムから北の一部区間だけ開通している。イェニカプまでの延長計画がある。観光客の利用はシシリŞişliの軍事博物館に行く場合やレヴェントLeventのアクメルケズAkmerkezで買い物する場合ぐらいだろう。アクビル利用可。
市内各所にバス会社のオフィスがあるので、わざわざオトガルまで出向く必要はない。これらのオフィスからは無料送迎(セルヴィスservis)を利用できることも多い。イスタンブル発着のバスは多いが、できるだけ前日までに切符を購入し予定を確定させておいた方が時間を無駄に使わないですむうえ、座席も良い場所を確保できる。タクシムTaksimとユスキュダルÜsküdar、アジア側のカドゥキョイKadıköyなどオフィスの集まるエリアは多い。スルタンアフメットSultanahmetにもバス会社オフィスがいくつかある。
メインのオトガルは西の郊外、エセンレルEsenler地区にある。トルコのアジア側の地域に旅行する場合、間違ってもこのオトガルを利用しないこと。大幅な遠回りになる。トルコのほとんどを占めるアジア側の各都市へ向かうバスは、このオトガルを出発したあと延々と市内の北側を迂回し、ボスポラス橋を渡る。そして、エミノニュEminonuからほぼ海峡の向かいのハレムHaremを経由して、トルコ各地へ向かう。スルタンアフメット地区からを例に、船で後述のハレムに渡った場合と比べると、1時間以上は余計にかかる。
エセンレルのオトガルを利用するのは、エディルネEdirneなどトラキアTrakya(トルコのヨーロッパ側の地域)へ向かう場合や、チャナッカレÇanakkale周辺へ向かう場合、そしてギリシャ、ブルガリアへの国際バスを利用する場合。もし利用する場合にはアクサライAksarayからハフィフ・メトロHafif Metroで15分程度。
トルコのアジア側にある地域へ旅行するなら、このバス乗り場を利用。大手バス会社の便にはハレムを経由しないものもあるが、ハレムからはほぼ確実に送迎(セルヴィス)を出している。トルコ各地からイスタンブルに向かう場合も、ハレムに行きたい旨伝えておけば、そのバスがハレム経由でなくても送迎を手配してくれる。
中心街からハレムへは、エミノニュ桟橋から船を利用。この付近では唯一自動車も同時に積み込むタイプの船。両方向とも7:30(平日は7:00)~22:00まで30分おき。20分前後。運賃は100円弱でアクビル利用可。
タクシム周辺のバス会社オフィスからバス会社の送迎(セルヴィス)を利用する。このあたりのバス会社オフィスを探せば、トルコのほぼすべての方面へ行くバスが見つかる。
空港地下からエセンレルのオトガルまでハフィフ・メトロを利用。電車は頻繁にあり、10分前後で到着する。しかしエセンレルのオトガル周辺にはなにもない。特に長距離を移動するならタクシム行きのハワシュHavaş(空港シャトルバス)を利用し、タクシムでバス会社オフィスを当たった方が飲食店なども多く都合がよい(オフィスからは送迎を利用できる)。
長距離バスを利用する場合と同様、切符は前日までにおさえておきたい。使い勝手のよい列車もいくつかあるが、各方面とも列車の本数は少ない。出発直前に購入しようとして満席だった場合、時間的な損害が大きくなる。
アジア側の鉄道駅。トルコのほとんどを占めるアジア側の各都市へ向かう列車はここから出発する。海に突き出した駅舎は壮麗な造りで、列車に乗らなくても訪ねてみる価値がある。場所はアジア側の繁華街、カドゥキョイKadıköyの近く。ヨーロッパ側からは2種類の船を利用できる。どちらの船も所要時間は30分程度、運賃は100円弱。
ハイダルパシャでは駅舎を出て右側がカラキョイ行き、左側がエミノニュ行き。反対方向のカドゥキョイへ行きも同じ乗り場に発着する。船の行き先を確認。これらの船のほか、タクシムからはカドゥキョイ行きのドルムシュを利用する方法もある。
長距離列車の切符売り場は駅舎に入って右側。切符売り場の窓口は銀行のような番号札方式になっている。午後になると窓口が混雑するので、切符の購入は午前中にすることを勧める。窓口は簡単な英語なら通じる。
ヨーロッパ側の鉄道駅。エミノニュ桟橋に隣接。ここから列車に乗る観光客は少ないはずだが、この駅の窓口でもハイダルパシャ発の列車の切符を購入できる。観光客にとっては、もっぱら切符の購入に利用する駅。
ハイダルパシャ駅同様、午後になると窓口が混雑するので、切符の購入は午前中にすませるよう勧める。この駅の窓口も簡単な英語なら通じる。現在使われている駅舎は味気ない建物だが、海側にはオリエント急行のために建設された立派な駅舎が残っている。ホームからこの建物にまたがる位置には、料金は高めだが待ち合わせには便利なカフェ・オリエントエクスプレスがある。
最高速度70km/h以上で飛ばす非常に高速な船。ヤロワYalova行きやバンドゥルマBandırma行きなど、長距離線に使われている船は自動車も積載できる巨大な船体で、これが海上をすっ飛んでゆく様子は迫力がある。
ブルサBursaやギョネンGönenへ旅行する場合、マルマラ海を横断するデニズ・オトビュスを利用すると格段に早い。また、イズミルİzmirなどエーゲ海方面の各地へは、デニズ・オトビュスと長距離バスの連絡切符を販売しているバス会社がある。
船の定員は大きく、トルコの大型連休をのぞき予約の必要性は少ない。しかし、ヤロワやバンドゥルマ行きの長距離便は本数が限られるので、事前に時刻を確認しておく必要がある。なお、長距離のデニズ・オトビュスでアクビルは使えない。
イスタンブルの長距離デニズ・オトビュス乗り場は、アクサライからマルマラ海に突き当たったイェニカプYenikapı桟橋。イェニカプまでのタクシーはスルタンアフメット地区からで約300円、タクシムからは600円前後になるだろう。安くあげたい場合、シルケジ駅からバンリヨbanliyo(郊外電車)を利用する方法もある。バンリヨの運賃は約80円、7~8分。日中は30分おき、朝夕は15分おき。
ガラタ橋のすぐ脇には近距離線桟橋があり、長距離線の時刻表も配布している。また、ウェブサイト(http://www.ido.com.tr/)にも時刻や運賃を掲載している。
国内線のターミナルは国際線ターミナルに隣接している。アンカラAnkara行き、イズミルİzmir行きをのぞき、各方面とも本数は少なく、早朝や深夜の発着が目立つ。国際線を利用する場合よりも空港までタクシーを使わざるを得ない場合が多い。
トルコを訪問するのが初めてで、イスタンブルで観光をするつもりなら、この地域が無難。イスタンブル最大の見どころが集まる地域で、交通機関を使わずにすむ観光スポットが多い。宿泊施設も多く、1万円以上の高級ホテルから1000円以下のドミトリーまで選択肢も広い。夏休みのピークでも、選り好みしなければ部屋は見つかる。
客引きが多いのが悩みのタネ。タクシーやトラムウェイ(トラム)を降りたとたん客引きが近寄ってくる。スルタンアフメットで外国語で話しかけてくるトルコ人は、ほぼ全員客引きと思って間違いない。彼らは取引のあるじゅうたん、みやげ物の店や旅行会社に観光客を連れて行き、買い物をさせることでコミッションを得ている。そのコミッションがどこに上乗せされるのかは明白だ。
客引きの紹介するトルコ国内のツアーもまたトラブルがよく聞かれる。ツアーのセールスには熱心な客引きだが、旅行のしかたや目的地の情報についての知識は驚くほど少ない。そもそも長距離バスを中心に交通機関の発達したトルコでは、ツアー旅行の必要性は薄い。見どころが散らばったカッパドキア地方ではツアーを利用するメリットもあるが、現地に着いてからでも容易に手配できる。
しつこい、うるさい、うっとうしい客引きだが、彼らにのこのこついて行かない限り、深刻なトラブルに巻き込まれる可能性は少ない。客引きをめぐるトラブルは多いものの、治安が悪い地域ではない。
スルタンアフメットのホテルやパンシヨンにはトルコ人の宿泊客がほとんどいない。特にパンシヨンは事実上外国人専用の宿が大多数。バンコクのカオサン・ロードのような奇妙な地域だ。
宿の経営も複雑なところが多い。建物のオーナーと経営者は必ずしも同じではなく(トルコでは珍しくないが)、短期間のうちに経営者が替わって宿が改装されることがしばしばある。実質的な宿の運営を従業員に任せきりにしている経営者も少なくない。こうした宿は従業員を入れ替えたことでまったく評判が変わってしまったりする。
予算が許せば、古い邸宅を改装したホテルが魅力的。しかし、サフランボルに行けばさらに魅力的な同じようなホテルに格安で泊まることができることを知ってしまうと、わざわざイスタンブルで高い料金を払う気がおきない。
トラムウェイの走る通りには車を乗り入れできないうえ、一方通行が多い。タクシーは乗り降りする場所によって迂回することがかなりある。「タクシーに回り道をされた」というトラブルのうち、相当数がこうした事情によるようだ。同じ区間を利用しても行きと帰りで経路が異なり、運賃が違うケースは多い。荷物が多くなければ一方通行の向きが目的地の方向に合ったところからタクシーを利用すると、運賃を安くできる。たいていの場合、1ブロック先には逆方向への一方通行路がある。タクシーでスルタンアフメットに向かう場合も、ホテルに乗り付けずにトラムウェイ沿いで降りてしまうのが手っ取り早い。
1990年代前半までは怪しげなホテルが並ぶ一角だった。しかし、スルタンアフメットまで歩いて10分、交通も便利なこの地域を観光産業が見逃すはずはない。最初に改装されたイルカイİlkayに続いて、こざっぱりしたホテルが増え始め、以前のような雰囲気はなくなりつつある。このあたりのホテルは主にヨーロッパからの格安ツアーを対象にしているが、日本の旅行代理店から予約できるホテルもある。正規料金はかなり高め。しかし、オフシーズンや空室のある場合には値引きに応じてくれる。
治安が悪いわけではないが、夜は人通りが少なくなる。特にスルタンアフメットとの間は照明も暗いので、女性の場合にはトラムウェイを利用した方がよさそうだ。
夕方、トラムウェイ沿いに何軒かあるビラハネは帰宅途中のサラリーマンで混雑している。男性で、サッカーが好きな方の場合には楽しい思いができるかもしれない。
スルタンアフメットと同様、トラムウェイの走る通りは車の乗り入れが制限されていて、一方通行も多い。すぐ近所のシルケジ駅前からの方が簡単にひろえる。
トラムウェイのユスフパシャYusufpaşaとラーレリの停留所の間、道路が立体交差になっている近辺がこの地域の中心。スルタンアフメットまではトラムウェイを利用するか、15分前後歩くことになる。暗くなってからはトラムウェイを利用した方が無難。
地元のトルコ人には評判の悪い地域で、スリやひったくりの事件が多いといわれている。東欧や旧ソ連の国々から来た商人や出稼ぎの人が多く、独特な雰囲気がある。
日本の旅行代理店で手配できるようなクラスのホテルならば問題はなさそうだが、料金の安いホテルのなかには売春宿になっているところや、麻薬の取引に使われているところもある。宿の選択には注意が必要だ。
交通量は非常に多くUターンが難しい。目的地の方向を確認してからタクシーを利用した方がよいだろう。
新市街タクシム広場からガラタ橋(ガラタ・キョプリュスGalata Köprüsü)方面に続く歩行者専用のイスティクラル通り(イスティクラル・ジャッデシİstiklal Caddesi)がイスタンブルの主な繁華街。しかし、観光スポットへの交通はやや不便で、初めてイスタンブルを訪問する場合には不向きだ。ホテルの価格帯は高め。この地域に泊まるなら日本の旅行代理店やインターネットで宿泊プランを探した方が安いことも多い。
スルタンアフメットほどではないものの、観光客相手の客引きはいる。「ぼったくりバー」の被害もときどきあるようだ。イスティクラル通りの脇道やガラタ塔の付近には夜になると相当怪しい路地もある。しかし、イスティクラル通り自体は人通りも多く、夜でも特に危険ということはない。
トプカプ宮殿とはまったく別の場所。旧市街の最西端、城壁の内側に接している地域。トラムウェイの走る通り(Millet Caddesi)からガソリンスタンド(Shell)を目印に北側に分かれる通り(Topkap. Caddesi)沿いに城壁までの一帯。トラムウェイの最寄り停留所はパザルテッケPazartekke。1994年まではすぐ近くにオトガルがあり、多くのホテルが並んでいた。オトガルの移転で数は減ったが、まだかなりのホテルが残っている。ホリデイ・インHoliday Inn(目印に便利)、ゴールデン・チューリップGolden Tulip 系列のエレシンEresin をのぞくとトルコ人向けの小さな宿がほとんど。
スルタンアフメットへはトラムウェイで15分程度かかる。観光には不便でイスタン ブルを初めて訪問する場合には勧められないが、2回目以降ならば意外に便利な地域でもある。城壁近くには市バスの折返し場があるほか、エミノニュEminönü、カラキョイKaraköy経由タクシムTaksim行きのドルムシュdolmuş(乗り合いタクシー)も出ている(100円)。タクシー運賃は空港まで1000円弱、タクシムまで500円前後。
エレシンやホリデイ・インの正規料金は軽く1万円を越える。宿泊するなら旅行代理店を通して予約した方が安い。手ごろな宿ではレイス・オテルReis Otel(Topkapı Cad. 1 Kaleiçi、Tel:0212-631-2003、Fax:0212-631-2005、朝食付きシングル2400円、ツイン3800円)がお勧め。しっかりした経営で設備の手入れも非常によい。
周辺にはロカンタやビラハネなど、飲食店もひととおりそろう。しかし、トラムウェイで一つエミノニュ寄りの停留所チャパÇapa まで行くと選択肢が広がる(徒歩5~6分)。チャパにはバス会社のオフィスもたくさんあり、オトガルまで送迎もしてくれる。
比較的行きやすいところ2つ。
タクシムTaksimからテュネルTünelまで続くイスティクラルİstiklal 通りのほぼ中間、タクシムから来ると右側。古い建物の中庭を中心に、小さなレストランがたくさん入っている。見分けがつきにくいが、全体で一つの店ではない。建物の雰囲気もよく、イスタンブルではぜひ1回試しておきたいところ。21:00ぐらいになると勝手に流しの演奏が始められたりするが、特にリクエストしない限りチップを払う必要はない。なかにはふっかける店もあるので、料金は一応確かめておいた方が無難。ビールとメゼ、肉料理で2000円前後、飲み物をワインやラクにして魚料理を選ぶと3000円前後になる。筆者がよく使っているのはフズル・レストランHuzur Restaurant。イスティクラル通りから入って左奥の方にある。
魚介類のレストランが集まる地域。カパル・チャルシュKapalı Carşı(グランバザール)から坂道を下ってゆき(南へ)10分ぐらい。通りは入り組んでいるが、マルマラ海へ向け丘を下ってゆけば「当たらずといえども遠からず」な場所に抜ける。シルケジ駅からのバンリヨbanliyo(郊外電車)も利用できる(2つ目がクムカプで駅を降りればすぐわかる)。どのレストランも料理はうまい。しかし、これという店がなかなか見あたらないのも事実。ふっかける店もあるので、料金は確かめた方がよい。ぼられなくても3000円以上の請求は珍しくないだろう。クムカプには魚市場があり、写真は絵になる。
紹介している資料はほかにいくらでもあるので、ごく簡単に。
トプカプ宮殿Topkapı Sarayı、アヤソフィアAya Sofya、イェレバタン・サルヌジュYerebatan Sarnıcı(地下貯水場)、そしてスルタンアフメット・ジャミイSultanahmet Camii(ブルーモスク)などが歩ける距離に集中する。イスタンブル最大の見どころではあるが、いつでも来られるので思い切って省略するという選択も「あり」だろう。
ポイントはトプカプ宮殿を朝いちばんで見てしまうこと(9:00オープン)。特に夏場は早めに行かないと、ハレムHarem(最大の見どころ)に入るために長時間待たされる。見学には相当時間がかかる。朝9:00にスタートしたとして、もっとも時間のかかるトプカプ宮殿を見終わるのはほぼ昼食時。ほかのスポットはそれぞれ30分~1時間で収まるが、昼食後再び見はじめて、すべてを回り終えるのは16:00 ごろだろう。
昼食用の飲食店はスルタンアフメット地区にいくらでもあるが、トプカプ宮殿内のコンヤルKonyalıはなかなかうまい。ただし安くはない。カフェテリアも併設されていて、料金はこちらの方が安いものの料理は見るべきものがない。このカフェテリアで食べるなら宮殿の外のロカンタで食べた方がましだ。
スルタンアフメット・ジャミイ(無料)をのぞき入場料はかなり高額(1カ所1000円以上)。ひと財産使うことを覚悟しなければならない。学割があるので、学生の場合には割引を利用できるうちに訪ねておくとよいだろう。
客引きが非常にうるさいので覚悟が必要だ。値段もふっかけられることが多く、ここでの買い物は「素人にはお勧めできない」。しかし、内部をうろついてみる分には絵になり、雰囲気も楽しい。スルタンアフメットから西へ歩き、2つめのトラムウェイの停留所(ベヤズットBeyazıt)で右へ。その先右側に入口。
やはり客引きはうるさい。しかし、カパル・チャルシュほどではない。乾物や菓子が中心でじゅうたんのような高額商品は扱っていないので、ぼったくられても損害は小さい。エミノニュ地区、ガラタ橋から道路を挟んでほぼ反対側。
船から海峡を眺め、魚を食べに行く。船に乗っているだけでよく、ほとんど歩かなくてすむので、飛行機で疲れているイスタンブルに到着した翌日(早朝到着の便なら当日)の観光にお勧めしたい。船は10:30ごろ、エミノニュEminönü のボアズ・ハットゥBoğaz Hattı 桟橋から出航。切符を売ろうとする「ダフ屋」が大勢いるが、惑わされず桟橋窓口で買うこと。予約は必要ない(できない)。しかし週末や休日は混雑する。出航30分前には桟橋に着くようにしたい。夏休みなら午後にも船があるが、昼食に魚を食べるなら10:30の便が最適。
終点アナドル・カワーウAnadolu Kavağı(「A.Kavağı」と略される)までは1時間半の道のりだ。運賃は片道300円弱、往復500円強。往復券の場合、船を降りるとき半券を回収される。残りの半券が帰りの切符になるのでなくさないように。
船は2階建て構造。眺めがよく写真やビデオに適しているのは2階後部デッキだ。その2階後部デッキが壮絶な席争いの対象になる。不幸にして2 階後部デッキの席を確保できなかった場合には…。ドルマバフチェ宮殿やチュラーン・パラス、ルメリ・ヒサールが見える船の左側の席をおさえよう。
船が寄港するヨーロッパ側のサルイェールSarıyer、ルメリ・カワーウRumeli Kavağı、そしてアジア側の終点アナドル・カワーウが候補だ。このうち、ツアー客が大勢降りるサルイェールは料金が高め。同じヨーロッパ側でもルメリ・カワーウなら、いくぶん安いようだ。ヨーロッパ側で食事をした場合には、バスやタクシーで簡単に市内へ戻れるというメリットがある。
一方、終点のアジア側、アナドル・カワーウからイスタンブル中心街に戻る方法は限られる。タクシーを利用したり、いったんヨーロッパ側に渡ってからバスで帰る方法もあるが、結局は来たときと同じ船の折り返しを利用するのが確実(かつ早い)。帰りの船のうち通年運行している便は15:00ごろアナドル・カワーウを出航。
個人的にはアナドル・カワーウの雰囲気がいちばん気に入っている。時間をぜいたくに使う「トルコ的」な楽しみ方をしたい場合、ここまで足を運ぶのは悪くない選択だろう。船も終点なので降り損ねる心配もない。
レストランは店先に魚を並べているので、魚を食べ慣れている日本人なら、品定めには困らないだろう。どの店も料理の種類はほぼ同じ。
ぜひとも注文したいのはカラマルkalamar(イカ)。フライにして出され、ニンニクのきいたマヨネーズで食べる。季節によってはハムシhamsi(カタクチイワシ)が出される。さっと油で揚げたもの(ハムシ・タワhamsi tava)をビールのつまみにすると最高。メインになる魚としては、鯛に似たチュプラçupraがうまい。しかし水揚げにも左右され、質も変わる。店頭でじっくり選びたいところだ。なお、普段は共通の皿からみんなで料理を取り分けるトルコ料理だが、魚に限っては例外だ。メインの魚料理は1人1皿(1匹)ずつ注文しないと取り合いになる。
魚介類の価格は変動が大きいが、カラマル、サラダ、イワシ、メインの魚1匹、そしてワインというメニューで2000円程度から。船が到着するとレストランの客引きが寄ってくるので、料金やメニューの交渉をする(簡単な英語は分かる)。料金は料理、飲み物ともに全部セットで交渉してしまった方が手っ取り早い。
船の上からも眺められる灯台。アジア側のユスキュダルÜsküdarから南に10分前後歩くと近くで見ることができ、旧市街を見渡す眺めは最高。エミノニュとベシクタシュの桟橋から頻繁に船が出ている。船からの眺めが抜群な日没直前を勧める。
見逃すことのできないイスタンブル最大のモスクだ。しかし、ツアー旅行ではしばしば省略されてしまう。イスタンブル大学やカパル・チャルシュのほぼ裏側に位置しており、トラムウェイのベヤズット停留所から歩いて15分ぐらいかかる。帰りは坂道を下ってエミノニュへ出るとよいだろう。
ハリチHaliç(金閣湾)を見渡す眺めの良いカフェ。エユップEyüp地区にある。エユップまではエミノニュから市バスかタクシー。タクシーを利用すると約400円。エユップに着いたらエユップ・ジャミイEyüp Camii(エユップのモスク)の裏から墓地のなかを進む坂道(歩行者のみ)を上る。この坂道の入口はわかりにくいので、道を聞きながら行った方が安心。いったん坂道に入ってしまえば簡単に到達できる。
時間帯は夕方がお勧め。日没や暗くなってイスタンブルの街並みがライトアップされてゆく様子はすばらしい。