http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
ウルダー(Uludağ:Uludag)のすぐ麓に広がる東西に細長い街で、海のない神戸のようなイメージ。史跡もあり、温泉もあり、山もありと遊ぶところはいっぱいあるので、3、4日滞在しても飽きないと思います。外人観光客も多いのですが、アラブ人がほとんどで、カッパドキアやパムッカレのような「外人ずれ」はしていません。
ブルサは人口100万人をこえる街で(日本風に言うと政令指定都市の扱い)、この資料で紹介している他の温泉地とはだいぶん雰囲気が違います。オスマン帝国の最初の首都だったせいかトルコの街のなかでもずっと大事にされてきたらしく、街全体がきれいで秩序正しい感じです。
中心街は大通りアタテュルク・ジャッデシ(Atatürk Caddesi:Ataturk Caddesi)沿い。街で一番大きなモスク、ウル・ジャミ(Ulu Cami)とアタテュルクの銅像ヘイケル(Heykel)が目標物になります。
ツーリスト・インフォメーションは同じ通りのコザ・ハン(Koza Han)前。大通りからは1段下がった広場の東端の方です。16:00まで、土日休み。
温泉街は中心街から西へ約5km離れたチェキルゲ(Çekirge:Cekirge)地区。
バスターミナルは中心街の北15km、全通していないバイパスに近い立地。長距離バスはすべてここに発着。ブルサではオトガルよりもテルミナル(terminal)の方が通じる。
テルミナルから中心街のアタテュルク・ジャッデシまでは、38番のバスがほぼ10分おき。このバスは循環バスで、テルミナルを出発しアタテュルク・ジャッデシを経由した後、再びテルミナルに戻る。テルミナル発6:40~23:55まで運行されている。テルミナル-アタテュルク・ジャッデシ間は約30分、料金は50円弱。
チェキルゲのホテルに宿泊する場合、バスターミナル連絡専用バス、テルミナル・オゼル・ハルク・オトビュス(Terminal Özel Halk Otobbüsü:Terminal Ozel Halk Otobusu:バスターミナル専用バス)の96番を利用する。このバスもまた循環バスで、テルミナル発6:00~0:30まで運行。料金は約60円。
どちらのバスも料金は車内の車掌に支払う。目的地を伝えておくとより確実だろう。なお、96番のテルミナル・オゼル・ハルク・オトビュスはアタテュルク・ジャッデシの一番西側、ウル・ジャミのすぐ横を経由するので、中心街のホテルに宿泊する場合にも利用できる。
中心街からテルミナルまでのタクシー料金はだいたい1000円前後になるが、大きな街だけに乗り降りする場所により幅がある。ブルサではバス会社によるセルヴィス(無料送迎)はない。
ブルサではドルムシュ(乗り合いタクシー)がすこぶる便利。市バスやタクシーの世話になることはまずない。車は普通のタクシーと同じだが屋根に注目。経由地が書かれたサインやドルムシュ(Dolmuş:Dolmus)のサインが載っている。
ほとんどのドルムシュ路線はアタテュルク・ジャッデシのヘイケル近辺を通る。中心街のホテルに泊まっているのならば、街のどこからでも簡単に戻ってこられる。目の前を通り過ぎるドルムシュがヘイケル行きでなければ、通りの反対側で待ってみる。
料金は区間ごとに決まっていおり100円前後(スキーシーズンを中心に走るウルダー行きは例外)。トルコ語がわからない場合とりあえず100円に一番近いトルコ・リラ札を渡してみるのがよい。釣りは必ず返してくれる。
あまりにもドルムシュが充実しているせいか、街の規模の割に台数が少ない印象。タクシーが見つからない場合、空車のドルムシュを当たってみる。ドルムシュの多くはメーターを装備している。メーターがなければ事前に料金を交渉。
2中心街だけ地下鉄になる郊外電車が走っている。観光客にはほとんど縁のない乗り物だが、チャナッカレやギョネン、イズミルやバルケシルなどからブルサに到着する場合は要チェック。
これらの街からブルサ行きのバスに乗ったら、サービス係にブルサでの目的地がキュチュック・サナイ(Kücük Sanayi:Kucuk Sanayi)であることを伝える。座席を確認しに来たときに「キュチュック・サナイ」とひとこと言えば用は足りるはずだ。
キュチュック・サナイでは道路の真ん中にブルサライの始発駅があり、歩道の地下道を降りると切符売り場だ。料金は約50円で均一。電車は6:00過ぎから0:00近くまでほぼ10分おきに走っている。下車する駅を目的地別に記しておく。
ブルサへ西の方からやってくるバスは、市街地をかすめて郊外に遠ざかりテルミナルに到着するという無駄なルートを走る。この方法でブルサライに乗り継げば、距離を縮められ、時間も30分は節約できる。
なお、ブルサを離れるときにも同様な方法が使えるが、トルコ語がある程度できないと難しい。
ホテルの多いエリアは温泉街チェキルゲ地区と中心街、アタテュルク・ジャッデシ周辺。温泉を楽しみたいのならチェキルゲ、観光や買い物に便利なのは中心街だ。
ヴァクフ・バンク(Vakfı Bank:Vakfi Bank)の角を入ったところにある中級ホテル。非常に清潔で掃除の念入りさでは高級ホテルを上回る。朝食のビュフェも充実している。料金は朝食付きでシングル約2400円、ツイン約4000円。
2001年にオープンした比較的新しい中級ホテル。チェシュメリのすぐ近所にあり、料金もだいたい同じぐらい。設備はこちらの方が新しい。部屋の手入れやサービスのきめ細かさではチェシュメリに軍配が上がるかもしれない。
アタテュルク・ジャッデシに面した3つ星ホテル。公式な料金はかなり高いが、特に混雑していない限り大幅に値引きをしてくれる。設備は料金に相応で及第点。
中心街西端、丘の上のトプハネ(Tophane)地区にある古い邸宅を改装したホテル。サフランボルの同様なホテルと比べると改装が行き過ぎている感じもするが、中心街でホテルに出費をしても構わないなら悪くない選択肢だ。料金は朝食付きのツインが約6400円。
イシュ・バンカス(İş Bankası:Is Bankasi)の角を入り、1ブロック目の右角。中心街ではおそらく一番安い。建物の外観は古いオスマン式に見えないこともない。内部はごく普通。シングル約800円、ツイン約1200円。トイレ、シャワーは共同、テレビ無し、朝食別。
ギュネシの数軒先。料金は朝食別でだいたいシングル1600円、ツイン2400円。ホテルの周りは静か。管理もしっかりしていて悪くないが、もう少し料金を払ってチェシュメリを選んだ方が得るものが大きいと思う。正直言って中途半端。
高級ホテルの場合、料金はインターネット経由か日本の旅行代理店でプランを探した方が安い可能性が高い。ラックレートは相当な額になるうえ混んでいるときも多い。未だに宿泊できず。
伝統ある最高級ホテル。アタテュルクはじめ宿泊した要人多数。
歴史ある温泉エスキ・カプルジャ(Eski Kaplıca:Eski Kaplica)を併設。後述するように入浴だけの利用もできる。
後述するブルサの代表的な温泉施設、イェニ・カプルジャに併設されている。いつでも風呂に入れる宿に手ごろな料金で泊まりたいならお勧め。比較的高級なチェキルゲの温泉ホテルに比べるとトルコの温泉宿らしい雰囲気で、共同のキッチンも使える。部屋は簡単だが手入れは行き届いていおり、料金はシングル約2100円、ツイン約3600円。朝食は含まれない。なお、ここに宿泊しても入浴料は別料金になる。
アタテュルク・ジャッデシに沿った中心街の中でも、シルクバザールになったキャラバンサライ、コザ・ハン(Koza Han)前に広がる噴水のある広場はいつも賑わっている。主な見どころは歩ける範囲なので、コザ・ハン前からウォーキングツアー風に紹介。
大通りアタテュルク・ジャッデシをくぐる地下道で通りの反対側(南側)に渡り、左へ。階段を上り歩道をそのまま進むと(東へ)右側にアタテュルクの銅像が建つヘイケル広場がある。広場の端で通りは分かれているが、ほぼまっすぐに進む通りへ。すぐに最初の目的地イェシル(Yeşil:Yesil)へのサインが見つかると思う。
小さな谷をまたぐ橋を渡り、サインに従って左に曲がったあたりから青緑色の霊廟イェシル・テュルベ(Yeşil Türbe:Yesil Turbe)が見えてくる。ここまでで10分前後。
まずはこのイェシル・テュルベと隣接するイェシル・ジャミイ(Yeşil Camii:Yesil Camii)を見物。両方で1時間あれば十分。イェシル・テュルベの前を過ぎた突き当たりには眺めの良いチャイ屋やレストランが並んでいるので、このあたりで一服。
次はエミール・スルタン(Emir Sultan)に向かう。ヘイケルから来た同じ通りを道なりに10分くらい。サインが出ているので迷うことはない。
イェシルもそうだが、エミール・スルタンもトルコ人観光客はありがたそうに見物している。外人にとってはさしたる感慨がわくものではないけれど、どちらも建物の装飾は美しい。途中の通りからは絵になる路地がいくつも分かれている。
エミール・スルタンを見物し終わったらコザ・ハン前に戻る。同じ道を歩いて帰ってもよいし、今歩いてきた方向に向かうドルムシュをつかまえてもよい。ここまで見学時間を含め2時間あれば足りる。いつでも簡単に訪ねられるが、午前中の方が気持ちいいと思う。
コザ・ハン前に戻ったら今度は逆方向(西)へ歩く。PTT(郵便局)前を通り過ぎ、イシュ・バンカスの先を左に入り緩い坂道を1ブロック、ギュネシ・オテル(Güneş Otel)の角を右へ。この先の地域タフタカレ(Tahtakale)には古くからの街並みが残っている。
再びコザ・ハン前に戻りウル・ジャミの内部を見物しよう。グレート・モスクという英訳に偽りのない大きさ。セルジュク様式の建物で「遺跡・史跡不感症」の私でも違いを感じられる。
ウル・ジャミの入口に向かって右に進むと、突き当たりがもうひとつのキャラバンサライエミル・ハン(Emir Han)。コザ・ハンよりもやや小さく、観光客向けの店は少ない。
ウル・ジャミを背にして左側の細い路地を入るとエスキ・アイナル・チャルシュ(Eski Aynalı Çarsı:Eski Aynali Carsi)の看板が見つかると思う。2つのキャラバンサライ、エミル・ハンとコザ・ハンに挟まれたこの建物、昔はハマムだったそうだ。
今は魅力的なアンティークの店が入っていて土産物探しに最適。中でも影絵芝居に使う革製の人形カラギョズ(Karagöz:Karagoz)は他では手に入りにくい。
そのものズバリな名前の店「カラギョズ」の主人シナシ(Şinasi:Sinasi)氏がカラギョズ保存の第一人者。店でも簡単なカラギョズの実演を見られるほか、運が良ければチェキルゲ地区の劇場で本格的な公演を見せてもらえる。公演は不定期なので店で確認。
エスキ・アイナル・チャルシュを通り抜けるとカパル・チャルシュ(Kapalı Çarsı:Kapali Carsi:屋根付きバザール)につながっている。左側はカパル・チャルシュのいちばん賑やかな一角。右側に進むと屋根が途切れ、ウズン・チャルシュ(Uzun Çarsı:Uzun Carsi)に入る。
ウズン・チャルシュには布製品を扱う店などが多い。少し進んだ右側にはコザ・ハンの入口があり、中を抜けると噴水のある広場に戻る。
延々と説明した後で申し訳ないが、見どころを回る順番はこの説明通りにした方がよいと思う。なぜなら、最初にコザ・ハンやエスキ・アイナル・チャルシュ、カパル・チャルシュに入ってしまうと土産物の品定めだけで1日使ってしまうから。
なお、このあたりの店は日曜休み。買い物を楽しみたい場合にはスケジュールに気を付けてほしい。ブルサは比較的物価の高い街だが、土産物など観光客相手の店でもふっかけられることはあまりない。少なくともイスタンブルよりはずっと安心して買い物できる。
霊廟やモスクの多い地域で、温泉街チェキルゲと中心街のほぼ中間付近。静かで絵になる街並みが続く。
ヘイケルの裏側からムラディエ行きドルムシュを利用する。ムラディエ地域のすぐ北側は中心街からチェキルゲへ抜ける大通りなので、帰りはこちらからドルムシュを拾った方が手っ取り早い。
ブルサの中心街から約10km、ウルダーの麓にある村で、古い街並みが残っている。未調査だがトルコ人の評価は非常に高い。日程の余裕が無くてサフランボルを諦めた場合には代替の目的地になりそう。
中心街アタテュルク・ジャッデシのPTT前からバスが出ているが本数は少ない。手軽、かつ確実に訪問したい場合には、エキス・アイナル・チャルシュの店カラギョズでツアーを扱っている。
西の郊外、チェキルゲ地区が温泉街。風呂はたくさんあるが代表的なものを2ヵ所紹介。営業時間はどちらの温泉もおおむね7:00~22:00。
ケルヴァンサライ・テルマル・ホテルの敷地にある風呂。総大理石の風呂はとてもゴージャス。入浴料は約800円、受付で先払い、ここで財布や貴重品を預かってもらえる。入浴料とは別料金(約800円)でアカスリとマッサージも頼めるが、ここのサンスケはへたくそ。
中に入るとまずは湯上りに休むことのできる広いラウンジがありデッキチェアが並ぶ。最初はここで腰巻を渡されカビネ(着替え用の個室)に案内される。浴室用のサンダルが置いてあるので履き替え。カビネはカギをかけられるので荷物も安心。
用意が出来たら最初に通されたラウンジから木のドアをあけて浴室へ。浴室は手前が広い洗い場のスペース、奥のスペースに丸い浴槽があるという配置。
風呂からあがると最初に通されたラウンジに出る手前左手に新しい腰巻やタオルが置いてある。混雑していなければ、アカスリやマッサージを頼まなくてもサンスケが近寄ってきて換えてくれる(無料)。
ラウンジに出たらデッキチェアでごろごろして休める。1時間くらいいても大丈夫。頼めばビールも持ってきてくれる(2ドル、帰りに受付で支払い)。市中よりはかなり高めだがここではあまりけちけちしない方が幸せ。
中心街からこの風呂へ行く場合、チェキルゲ行きドルムシュを利用。ヘイケルの向かい、劇場の脇の細い坂道を下っていったところが乗り場。「ケルヴァンサライホテル」と運転手に言っておけば近くで停めてくれる。
以上は男性用の風呂の紹介だが、女性用の風呂には湯上がり用のスペースがない。そのせいか料金は少し安い。
チェキルゲ地区のなかでもいちばん中心街に近いところにある。ケルヴァンサライホテルに併設されたエスキカプルジャに比べこちらは庶民的な感じ。「よりトルコ風」といった方がいいかもしれない。この資料を参考にトルコの温泉をめぐってきたのなら、エスキ・カプルジャよりもこちらを勧める。
イェニ・カプルジャの敷地にはさまざまな風呂が用意されている。まず、一番目立つのは男性専用のイェニ・カプルジャ本体だ。やはり総大理石の浴室で立派。
ここではひとりずつカビネを貸してくれないが、受付では財布やパスポートを預かってもらえる(エマネット)。アカスリやマッサージもここの人はうまい。
料金は入浴のみが約500円、入浴と湯上がりに休憩するベッド(ヤタクル:yataklı:yatakli)を頼むと約900円(お勧め)。湯上がり用のベッドは喫煙、禁煙で別れた2つの部屋に10ぐらいずつ並んでいる。個室ではないが管理人が常駐しているので貴重品でなければ荷物の心配は少ない。別料金でマッサージ約500円、ケセ(アカスリ)約300円。
イェニ・カプルジャ本体に隣接して女性用のカイナルジャ(Kaynarca)がある。男性用のイェニ・カプルジャ本体のような魅力的な建物ではないが、女性の場合、エスキ・カプルジャよりこちらの方が気に入る人が多い。
イェニ・カプルジャ入口前の坂を下りたところに、もうひとつの風呂カラムスタファ(Karamustafa)がある。「カラムスタファ・アイレ・バンヨラル(Karamustafa Aile Banyoları:Karamustafa Aile Banyolari)」の看板から入った建物にある家族風呂がここのお勧め。料金は1人500円、2人800円、3人1100円程度。タオルの貸し出しあり(約80円)。浴槽はあまり大きくないが浴室はゆったりしている。
イェニ・カプルジャへはエスキ・カプルジャへ行くときと同じチェキルゲ行きのドルムシュを利用。やはり運転手に行き先を伝えておく。ドルムシュはキュルテュル・パルク(チェキルゲへの進行方向右側にある大きな公園)を過ぎたあたり、右側に下り坂の道路が分岐するところで停まってくれる。この坂を下りてゆくと浴場の建物の屋根が見える。
さて、エスキ・カプルジャとは違い、イェニ・カプルジャでは「風呂上がりのビール」が楽しめません(ソフトドリンクはあり。値段も安い)。これは深刻な問題です。「一刻も早く一杯やりたい」という方は、来るときとは逆方向に向かうドルムシュを捕まえ(来るときにドルムシュを降りた通りの反対側)アラップ・シュクリュへ。
薄いパンの上にドネル・ケバブを載せ、トマトソースとヨーグルトをかけた料理。仕上げとして食べる直前に溶かしバターをかける。文章にするととても「くどい」料理のような気がするがうまい。
今ではトルコのたいていの街で食べられるイスケンデル・ケバブだが、やはりブルサの専門店に行くとひと味違っている。羊肉が嫌いという人をよく騙して食べさせ、今まで全員改宗(?)させた実績あり。羊には羊の料理法があるのだ。
しかし、ケバブ屋の常でどの店もアルコール飲料は置いていない。
イスケンデル・ケバブ考案者の直系。数あるブルサのイスケンデル・ケバブ店の中で、まずは押さえておきたいところ。
ほかの店と比べるとかなり豪華な店舗で、料金もいくらか高め。メニューはイスケンデルだけ。通常のタイプのほか、より質の良い肉を使った「Special」がある。分量は1人前(ビル・ポルション)、1.5人前(ビルブチュック・ポルション)を選べる。イスケンデル1人前と飲み物で約900円。シュラというブドウジュースがベースの飲み物がうまい。
場所はヘイケルの東、歩行者専用のユンリュ・ジャッデシ(Ünlü Caddesi:Unlu Caddesi)。
イスケンデル考案者の息子から分かれた店。アタテュルク・ジャッデシに面した簡素な店構え。しかし、味は本家より上かもしれない。1日中混雑していて昼時には店の外で並ぶこともある。
中心街なら選択肢は多い。ただし、日曜日は休業する店もかなりある。
ウズン・チャルシュ東端の角。店は2階。基本的に肉料理を中心にしたトルコ料理の店だが、味付けが洋風っぽい感じ。キョフテの味付けもハンバーグに近い。料理はどれもおいしく、1日中客が途絶えない。ドリップ・コーヒー(チチェッキ・カーフェ)あり。
700円ぐらいあれば十分足りる。店内は恐ろしくきれいで、お釣りにはピン札をくれる。すばらしい。しかし酒がない。
一見すると「飲めるレストラン」が少ないブルサだが、実は中心街の少しはずれに強力な「飲屋街」がある。それがアラップ・シュクリュである。
ブルサの北にある港町ゲムリックで水揚げされた魚介類が特にうまい。飲み助にはたまらないお食事どころ。歩行者専用の通りにレストランがたくさんあり、どこも古い建物を使った雰囲気のある店。寒くなければ店の外にもテーブルがずらりと並ぶ。
正式にはサカルヤ・ジャッデシというこの通りのレストランは、ほとんどが「アラップ・シュクリュ」という店から暖簾分けしたもの。多くの店が店名に「アラップ・シュクリュ」を冠している。今では通り本来の名前よりも「アラップ・シュクリュ」の名前が有名になってしまい、観光パンフレットなどでもこちらの名が使われる。当然、ブルサでは誰でも知っているレストラン街である。
オスマン帝国時代、この一帯にはユダヤ人街があった。今でもシナゴーグが残っているが、観光目的で見学するのは難しそうだ。
レストランはたくさんあり、内容に大きな差はないと思われるが、いつも入っている店を紹介しておく。
大通りからアラップ・シュクリュの通りに入り、右側。2、3軒の間隔を置いてユルマズ1、ユルマズ2の2店舗あり、どちらも同じ経営。料理や飲み物により料金には幅があるが、平均的には3000~3500円程度だろう。
テレフェリク(Teleferik:ロープウェイ)を利用するのが眺めも良くて楽しい行き方。まず、ヘイケルの裏からテレフェリク行きドルムシュに乗る。料金は60円、10分ほどでテレフェリク乗り場に到着。
ここからサルアラン(Sarıalan:Sarialan)までテレフェリクに乗って山を眺めるコースが一般的。途中、山腹のカドゥンヤイラ(Kadınyayla:Kadinyayla)で線が分かれていて乗り換えになるが、カドゥンヤイラにはテレフェリクの施設以外なにもない。山麓側に乗ると景色がよく見える。
テレフェリクの料金はサルアランまで通しで往復約500円。運行時間帯は10~5月が9:30~17:30、6~9月が8:00~22:00。夏休みの間、特に週末はかなり混雑する。できるだけ早めに出発した方がよい。
このほかスキーシーズンを中心に、ウルダー行きのドルムシュも運行されている。ブルサの中心街から近いところでは、アタテュルク・ジャッデシの一番西側、トプハネ地区に登る坂の途中にドルムシュ乗り場がある。片道約400円。
山(サルアラン)に着いてからの楽しみ方は夏冬それぞれ。冬ならばスキー。ロープウェイ駅の近くにはスキー用ホテルへのシャトルバスがいる。ホテルでは泊まり客でなくても道具をレンタルでき、専用のゲレンデとリフトも利用可能。料金は靴と板、ストックにリフト券を買って3000円程度。日中ならウェアーはなくてもなんとかなる(悪天候のときは死ぬ)。寒くなる前の15:00ごろ早めに山を下り、温泉に直行。たまらん。
夏の場合「涼を求める」ということのほかにも、山で待っているものがある。トルコ式のバーベキュー、マンガル(mangal)である。ウルダーではマンガルの道具一式を屋外で貸し出して客が楽しめるようにした店がはやっている。もちろんビールもあるぞ!
ロープウェイの駅を出たら100メートルほどまっすぐ進むと左側に土産物屋が並んでいる。この前を通り過ぎると林の中からなにやら煙があがっているのが見えるはず。
注文は「肉何キロ」というやり方。ひとり1キロ近くは食べられる。とにかく炭火の焼き肉とビールの組み合わせはたまらない。肉のほかウルダーのヨーグルトもおいしい。予算はひとり1500円前後。
なお、冬場でも店は開いている。屋外でマンガルをするのは厳しいが、建物の中に暖炉のような釜がある。
ヤロワ(Yalova)まで高速船(デニズ・オトビュス:Deniz Otobüsü:Deniz Otobusu)を利用するコースが最短。高速船乗り場はヨーロッパ側、マルマラ海に面したイェニカプ(Yenikapı:Yenikapi)桟橋。ヤロワまで1時間、1000円弱。
ヤロワ行きは1日7、8往復。高速船のWebサイト(http://www.ido.com.tr/)で時刻を確認するか、ガラタ橋近くの高速船乗り場(近距離専用)で配布している時刻表をチェック。
ヤロワに到着するとブルサ行きのバスが待機している。ヤロワからブルサのテルミナル(バスターミナル)まで1時間弱、約350円。
このルートをイスタンブルへ向かうときに利用するなら、高速船がヤロワを出航する1時間30分前にはブルサのテルミナルを出発するバスに乗っておきたい。
高速船を利用せずイスタンブルから直通バスを利用するなら、アジア側のハレムから利用するのが本数も多くて便利。料金は1000円強で、高速船とバスを乗り継ぐルートよりもいくぶん安い。
ほとんどのバスは途中イズミット湾をショート・カットするフェリーにバスごと乗船するルートだが(Feribot ile)、まれにイズミット経由の大回りルートを走るバスがあり確認が必要。フェリーに乗るバスの場合、ハレムからブルサまで2時間45分。頻繁に走っている。バス会社はニリュフェル(Nilüfer:Nilufer)かキャーミル・コチ(Kâmil Koç:Kamil Koc)。
なお、ニリュフェルはエセンレルのオトガルからハレムを経由しない便を走らせている。ハレム経由のバスがブルサまで4時間かかるのに対し、このエセンレル-ブルサ間を直行するバスは2時間45分。イスタンブルのアタテュルク国際空港からブルサに直行する場合、この会社がお勧めだ。7:30~19:30まで1時間おき。
アンカラへは6時間、イズミルへは5時間半。夜行も含め頻繁にバスの便がある。バス会社はニリュフェルかキャーミル・コチ。
大都市だけにバス便は充実している。夜行バスの利用を厭わなければ、黒海方面やトルコ東部からも直通便がある。
ただし、ブルサのテルミナル(バスターミナル)は市街地から遠い。目的地が頻繁にバスのある主要都市でなければ、中心街でバス会社のオフィスを見付けられる可能性も低い。ブルサに着いたときにテルミナルで時刻を確認しておいた方がよい。