http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
エフェスの遺跡を訪ねるついでに寄り道したい温泉。イズミル(İzmir:Izmir)とセルチュク(Selçuk:Selcuk)を結ぶ国道を途中のトルバル(Torbalı:Torbali)で東に分かれ、約35kmのところにある。 今のところ大浴場が無く、風呂は部屋で入ることになるので、日本風の温泉とはだいぶん勝手が違う。しかし、小さな谷間の集落に硫黄の臭いが漂っていて、温泉らしい雰囲気は非常に濃い。湯の温度は41~42度で日本人好み。集落から5kmくらい離れると緑の濃い高原になっていて、夏休みの間はピクニックをするトルコ人で賑わうそうだ。
宿は2軒ある。集落に入ってすぐのところにヴァルダル(Vardar)、そして温泉が湧いている小さな川を挟んでファトマ・ハヌム(Fatma Hanım:Fatma Hanim)が隣接している。料金や部屋の広さ、設備はどちらもほぼ同じだが、ファトマ・ハヌムの方が客室の調度はよく、掃除も行き届いているようだ。いずれの宿も客室にはベッドルームのほかリビングがあり、キッチンと冷蔵庫を備え付けている。ソファーベッドも使うと3人は泊まれる。部屋の風呂は温泉。料金はどちらも1部屋約1200円、オフシーズンにはいくらか値引きがきく。ファトマ・ハヌムは経営者のおばちゃんから名前をとった宿で「マダム・ファトマ」という感じの意味。なかなかにやり手なファトマおばさんのようである。
宿が自炊対応になっているせいもあり、食事のできる店は1軒しかない。ビデ、キョフテなどを出すごく簡単な食堂、ウルジャ・ピデ・ヴェ・ケバプ・サロヌ(Ilıca Pide ve Kebap Salonu:Ilica Pide ve Kebap Salonu)があるのみ。アルコール飲料は置いていないが、味は悪くないし、希望すれば宿の部屋まで出前してもらうことも可能。
ビールはファトマ・ハヌムの玄関脇にあるメルケズ・ビュフェ(Merkez Büfe:Merkez Bufe)で売っている。つまり...部屋でビールをやりつつ前述の食堂からピデを出前してもらうのが幸せなのである。どちらの宿も部屋は広いんだから。自炊をする気があるのならば、材料は簡単に手に入る。パン屋、肉屋があるほか野菜は道路際で売っている。
イズミルからはバユンドゥール・ベレディエシ(Bayındır Belediyesi:Bayindir Belediyesi)のバスがほぼ1時間おきに走っている。1時間30分、料金300円強。セルチュクからはイズミル方面に向かうバスをトルバルで下車(45分、200円)。イズミルから来るバスに乗り換え(45分、約200円)。
温泉は少し手前にある集落の名前デレキョイ(Dereköy:Derekoy)やウルジャで呼ばれることもあるようだ。バユンドゥールのオトガルから温泉までは7kmある。ミニバスやドルムシュなど公共の交通手段はないかわりに、ヒッチハイクが当たり前に行われている。地元の車に乗せてもらった場合、ひとり100円前後を運転手に払う慣習のようだ。
タクシー利用の場合、料金は800円程度。温泉の集落にも常駐のタクシーが1台ある。