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パムッカレとデニズリ周辺

位置

石灰棚よりも魅力的な湯を探せ!

自由に入れたころの石灰棚

温泉を楽しむという目的では、パムッカレ(Pamukkale)は湯が枯渇気味でお勧めできません。しかし、パムッカレのあるデニズリ(Denizli)県には、ほかにもいくつかの温泉が湧いています。ほとんど「見世物」になってしまったパムッカレよりもはるかに充実した温泉を楽しめるでしょう。

この地域ではデニズリ市が交通の要になっています。どのような交通手段を利用するにしても、まずはデニズリ行きを探すのが確実です。長距離バスは頻繁にあるほか、イスタンブルとの間には非常に使い勝手のよい夜行列車パムッカレ・エクスプレシ(Pamukkale Ekspresi)が走っています。

デニズリ市

Denizli

オトガル(バスターミナル)と鉄道駅はほぼ隣接している。列車で到着した場合、駅前の広い通りを渡り左に約100m進むとオトガル。オトガルの建物の中に荷物預かり(エマネット:emanet)がある。24時間営業していて料金は1日100円弱。

オトガルや鉄道駅は市街地のいちばん東側になる。オトガルから西の方向に緩い坂道を上ってゆくと中心街。デニズリ市内にツーリスト・インフォメーションはない。

うるさいやつらをどうやって避けるか

バスでも列車でも、デニズリに着いたとたんから客引きが近寄ってくる。特に夏場は客引きの数が多く鬱陶しい。パムッカレへ行くと客引きの数はさらに増える。客引きを避けて行動するためには以下の行動パターンが考えられる。

デニズリ市内に泊まる(初心者向け)

デニズリ市内のホテルにチェックインし荷物を置いてからパムッカレを目指す。市内のホテルには温泉があるわけでもなく退屈だが、お手軽。

カラハユットに直行(手軽に温泉泊、お勧め)

デニズリに着いたら後述するパムッカレ近くの温泉地カラハユットに直行する。外国人ツーリストの大半は「××のひとつ覚え」のようにパムッカレを目指そうとして客引きの餌食になる。しかし、目的地がカラハユットであると言えば、面白いように客引きは退散する。カラハユットの宿に荷物を置いて悠々とパムッカレへ往復。

すぐに次の目的地へ移動(逃げ)

夜行列車や夜行バスで朝のうちにデニズリ入りするのが条件。デニズリに到着したらオトガルのエマネットに荷物を預け、パムッカレへ往復。

遺跡と石灰棚を見物しパムッカレ・テルマルで遺跡風呂に入ると4時間前後かかる。デニズリ-パムッカレ間の往復が加わるが、イスタンブルから寝台車でデニズリに到着し、パムッカレへ往復しても、15:00ごろにはデニズリへ戻れる。

デニズリ県内の秘湯へ(マニア向け)

デニズリのオトガルで荷物を預け、パムッカレへ往復したら、後述するテッケ・キョユなど県内の秘湯へ移動して宿泊。

ホテル

あまりにも観光化されたパムッカレに宿泊するぐらいなら、デニズリ市内に宿をとった方がはるかに静かで、次の目的地への移動も簡単。中級ホテルではオトガルのすぐ裏側(南西の方向)、ラオディクヤ(Hotel Laodikya)がベストチョイスだと思う。朝食付きでシングル約2400円、ツイン4000円。オトガルに隣接しているが、24時間長距離バスが発着するセクションからは遠く、思ったよりも静か。

ラオディクヤ
Otogar Arkası(Arkasi) 630 Sokak No: 9
Tel:0258-265-1506、Fax:0258-241-2005
レストラン

街の規模の割にレストランは少ない印象。特にお勧めできるレストランは見つけられなかった。オトガルから1ブロック北側の通りを中心街の方に進むとロカンタが数軒並んでいる。中心街にアルコール類を飲みながら食事のできる店はなく、ホテルのレストランを利用することになってしまう。

交通手段
イスタンブルから

夜行列車パムッカレ・エクスプレシ(Pamukkale Ekspresi)を利用するのが一番快適でコストパフォーマンスがよい。イスタンブル(ハイダルパシャ)からの場合もデニズリからの場合も出発は夕方17:00台。目的地には翌朝8:00過ぎに到着する。出発時刻を早すぎると感じるかもしれないが、食堂車で食事をするにはこのぐらいでちょうどよく、列車の旅を楽しめる。

料金は個室の寝台車(ヤタクル)をひとりで使った場合、約3000円。ひと部屋を2人で使えば(ひとりあたりの料金は)若干安くなる。個室ではない寝台、クシェトリの場合には約2000円、座席車は1400円程度。ヤタクルを推奨する。

バスを利用しても10時間はかかり、ほとんどが夜行便。バスの方が列車よりもいくぶん速いが大差はない。料金はクシェトリと同程度。イスタンブル-デニズリ間の移動でバスを利用するのは、はっきり申し上げて相当にマヌケ。寝台車を確保できなかった場合、まずあたるバス会社はパムッカレ・ツーリズム(Pamukkale Turizm)。サービス水準も十分。もし料金が高くなっても構わなければ、最高級バス会社Varanも便がある。

アンカラから

パムッカレ・ツーリズムのバスが一番使いやすい。1~2時間に1本ずつ、6時間半、料金は約2000円。イスタンブルと同じく、Varan社の便もある。

イズミルから

パムッカレ・ツーリズムのバスが頻繁にある。3時間強。

セルチュク(エフェス)から

要注意。以前は頻繁に通過していたイズミル-デニズリ間のバスは高速道路経由になってしまいセルチュク(Selçuk:Selcuk)を通らなくなった。直通バスがすぐにない場合、まずは列車を探してみるとよい。本数は多くないがセルチュク-デニズリ間は4時間前後で、バスより少し遅い程度。250円。列車もすぐにない場合には、途中のアイドゥン(Aydın:Aydin)でバスを乗り継ぐと、より早い接続を見つけられる可能性がある。

パムッカレ

石灰棚よりも遺跡風呂である

Pamukkale

白い石灰棚のポスターで有名なパムッカレだが「風呂好き」にとって石灰棚はあまり魅力がない。湯の枯渇はかなり深刻らしく、また石灰棚に立ち入ることもできなくなってしまい、せいぜい水遊びぐらいしかできない。ポスターのような「きれいな水着のおねえさんが石灰棚のお風呂に...」という光景にはほど遠い。

遺跡温泉はこんな感じ

しかし石灰棚の上部ヒエラポリス(Hierapolis)には、非常に魅力的な遺跡風呂パムッカレ・テルマル(Pamukkale Termal)がある。場所は石灰棚の北側、夏場ならたくさん観光バスが並んでいる博物館前の通りを突き当たったところ。

入口と受付は狭く、シーズンには相当混んでいることもあるが、中は広い。入浴料約1100円(結構なお値段)。営業時間は19:00ごろまで。受付で渡されたチケットは入浴するときに回収されるのでなくさないように。利用できるのは一応2時間に制限されている(うるさくはない)。入り口を入って右奥の方に進むと飲み物などをサービスする休憩所の入った建物があり、その前にロッカーがある。ロッカーはデポジット式で、休憩所の従業員が管理している(デポジットは約800円)。ロッカーの前をさらに進むと突き当たりに着替え用の建物があり、ここで水着に着替える。着替え用だけにしか利用できず荷物は置けない。

パムッカレ・テルマルの入り口

湯の温度は40度以下とぬるめなので、夏場以外は天候次第だ。炭酸をたくさん含んでいて、源泉が湧いているところへ行くと湯の感じがわかる。体も海水や真水に比べて浮きやすい感じ。ただ、この源泉が湧き出しているあたりはとても深いので注意。

石灰棚の部分ほどではないものの、年々湯の量は少なくなり、泉質も悪くなっているようだ。それでも雰囲気は最高なので、まだしばらくの間は勧められると思う。

交通手段
パムッカレの村からは石灰棚沿いにヒエラポリスへ登ることができる。

デニズリのオトガルからミニバスで30分、約200円。ミニバスはほぼ30分おきにあるが(夕方以降は1時間おき)、ほとんどは石灰棚の下側、パムッカレの村までしか行かない。

しかし、ここにもパムッカレの入口がある。多少坂を登ることになるものの苦にはならないと思う。どうしても歩く距離を短くしたい場合には、パムッカレの上側、ヒエラポリスまで行くミニバスを探す。ただし、夏休みを除くとヒエラポリス行きのミニバスは少ない。

車道はデニズリ-パムッカレ村-カラハユットと続く。

パムッカレの入場料として約400円を徴収される。パムッカレの村から歩く場合には入口で、運良くヒエラポリス行きのミニバスを見つけた場合には途中でバスが止まるゲートで支払う。

デニズリへの帰り道も行きと同様、ヒエラポリス(パムッカレ上部)からのミニバスは少なく、最終も早い。しかし、いったん村まで降りれば簡単に見つかる。パムッカレの村からデニズリへの最終バスは22:00過ぎ。

カラハユット

Karahayıt:Karahayit

パムッカレにはトルコ人観光客も大勢やってくるが、パムッカレには宿泊せず、もっぱら近隣の温泉地、カラハユットに宿泊しているようだ。カラハユットには主にトルコ人向けのペンションがたくさんあり、その多くが宿に温泉を引いている。

カラハユットの集落はミニバスがようやくすれ違える程度の狭い通り1本にまとまっている。ペンションや飲食店、土産物屋が並ぶこの通りを端から端まで歩いても10分前後だ。デニズリからのミニバスは客を降ろしながらこの通りをゆっくり進んでゆく。

宿泊
ペンション

集落の通り沿いにたくさんある。料金の相場は夏休みで2000円弱から、それ以外は1000円前後から。湯の温度は何本かある源泉により異なるがいずれも40度以上。温泉はパムッカレよりも格段に優れている。

中級ホテル

パッケージツアー客を主な対象とした中級ホテルがいくつかある。見た目は高そうだが部屋に空きがあれば値引き可能。ツイン7000円前後の料金を期待できる(1人の場合2~3割引)。基本的に2食付き(ヤルム・パンシヨン:Yarım Pansiyon:Yarim Pansiyon)なので、下手にペンションに泊まって外食するよりも買い得感が高い。

集落のはずれ、パムッカレとカラハユットの間にもこうしたホテルがあるが、車がないとなにかと不便だ。ここでは集落に近いものを2軒紹介。

レイス・テルマル・オテル(Reis Thermal Otel)
Tel:0258-271-4170、Fax:0258-271-4171
Webサイト:http://www.reisthermalotel.com/
集落の入り口、鉄分で真っ赤になった温泉の塔のあるロータリーに看板が出ている。このロータリーを左(西)へ曲がり、2、3分。
オスカー・テルマル・オテル(Oscar Termal Otel)
Tel:0258-271-4416、Fax:0258-271-4016
ミニバス終点のロータリーを右(東)へ。集落をバスパスする広い道路を戻る感じに進み、左側。ミニバス終点のロータリーからも見える。
交通手段
パムッカレへのバスはほとんどがカラハユットまで行く。カラハユットのバス終点広場。

デニズリのオトガルからミニバスがある。7:00前後からほぼ30分に1本ずつ走っているが、18:00以降は1時間ごと。料金は約200円。

実は、デニズリからパムッカレ行きミニバスのほとんどはパムッカレ経由のカラハユット行きである。パムッカレの村を通り過ぎたところでヒエラポリスに行く道とカラハユットに行く道が分かれており、大半のミニバスはカラハユットに向かう。デニズリからヒエラポリスへの直通が少ないのはこういう事情による。

パムッカレの村を通り過ぎてからカラハユットまでは約10分。カラハユットからヒエラポリスまでのミニバスもたまにある(あてにならない)。

テッケ・キョユ

Tekke köyü:Tekke koyu

もうもうと湯煙が上がる源泉地帯

デニズリの北西約35km。周囲に温泉以外の建物は無く、秘湯の雰囲気満点。夜空もきれいである。宿の目の前で湯煙を漂わせている源泉は80~90度。パムッカレのぬるい湯が物足りない方でも、ここなら満足できると思う。湯量も豊富で枯渇とは無縁。

宿は2軒ある。両者は4~500m離れていて、それぞれ別の源泉から湯を引いている。泉質や湯の温度はほぼ同じ。

イン・アルトゥ・ウルジャス
(İn Altı Ilıcası:In Alti Ilicasi)
Tel:0258-426-1008、Fax:0258-426-1010
各部屋に温泉が引かれているほか、サウナと日帰り用の家族風呂がある。家族風呂のうちひとつはかなり広め。部屋の設備はごく簡単だが、掃除や管理は非常によく行き届いている。冷蔵庫や流し台の付いた部屋が2000円前後。併設しているロカンタはピデやオーブン焼きなど簡単な食事しかないが、味は悪くない。部屋への出前も可能。
チャウシュオウル・カプルジャラル
(Çavşoğlu Kaplıcaları:Cavsoglu Kaplicalari)
Tel:0258-426-1016、Fax:0258-426-1017
風呂の種類はイン・アルトゥ・ウルジャスよりも多い。プールのような新しい大浴場のほか、ローマ時代から残っているといわれる風呂2カ所(期待してはいけない)、そしてサウナがある。しかし、夏休み中や団体が入った場合を除き、すべての風呂に湯をためているわけではない。この宿も各部屋に温泉を引いている。料金はイン・アルトゥ・ウルジャスとほぼ同じ。汚らしいということはないものの、客室の掃除は少し負けている。

どちらの宿もアルコール飲料は種類が限られている。デニズリなどで入手しておくこと。

交通手段

公共の交通手段はない。デニズリからサライキョイ(Sarayköy:Saraykoy)行きミニバスを利用。約100円、30分。サライキョイへのミニバスは頻繁に走っている。サライキョイから先はデニズリからサライキョイまで利用したミニバスにテッケ・キョユまでの延長を頼む。料金は交渉次第だが1500円前後。20分ぐらいで到着。

どちらの宿もブハルケント(Buharkent)から送迎をしているが、トルコ語がわからない場合、宿へ向かうときに頼むのは難しい。宿からの帰りには使える。ブハルケントはデニズリからアイドゥン、セルチュクを結ぶルート上にあり、バスもそれなりの本数走っているほか、鉄道も通っている。鉄道はセルチュクを経由してイズミル行きが1日数本。