http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
トルコ語ではツーリズム・ダヌシュマ・ビューロスTurizm Danışma Bürosu。頼りになるかどうかはオフィスによりけり。親切なオフィスもあれば、いかにも「お役所仕事」風のところもある。イスタンブルを中心に、堂々と公設のインフォメーションと同じ「i」マークを掲げている民間の旅行代理店がある。これらの「偽インフォメーション」は商売熱心(?)なのですぐに気がつくとは思うが、公設のものならずらりと並んでいる観光省のパンフレットや地図が少ない点が、見分けるポイントになりそうだ。
ほとんどのツーリスト・インフォメーションでは無料で配布している。有名観光地 や大都市で配布されている観光省発行の地図は共通のフォーマットで、英語、ドイツ語、フランス語などの版を用意。なぜか英語版は品切れになっていることが目立つが、地図のマークなどは共通なので、ほかの言語版でも必要最小限の用は足りる。
一方、地方都市では地元の観光部署が発行した地図になる。様式はさまざまで、観光省発行の地図を上回る高品質なものもあれば、手書きの原稿をコピーしたごく簡単なものもある。使い勝手はその都市によって大幅に異なる。
「値引き」や「セール」を意味する単語、インディリムindirimは覚えておくべきだ。「%」の表示が独特なことに注意。例えば20% 引きセールをしている場合、「%20indirim」のように百分率記号が先に書かれる。スーパーをのぞき消費税(KDV)は内税表記(KDV Dahildirが税込の意味)。一般には定価販売の商品やサービスの方が多く値引きに応じてくれても大幅ではない。ただし、観光客相手の商売は例外だ。
釣銭の計算方法は日本と異なるので注意が必要になる。日本の場合、1万円札で750円の買い物をすると先に9000円を返し、次に250円を返す。しかしトルコも含め多くの国では、まず250円を返す(代金との合計1000円)。次に4000円(合計5000円)、さらに5000円札を返し、預かった1万円まで足し算をしてゆく。
観光地を中心に釣銭をごまかす者はいる。しかし、こうした考え方を知らずせっかちに店を去り、後から釣銭をごまかされたと考える観光客も多い。
有名な鯖のサンドイッチをはじめ「つまみ食い」に魅力的な食べ物がたくさんある。しかし、露天商のなかには「ぼる」者もいるので注意が必要だ。特に、移動しながら営業している露天商にこの傾向が強い。一方、いつも定位置で営業している露天商や店舗なら、ぼられる心配は少ない。
露天商と同様、常に移動しながら営業している者は料金をふっかけることが多い。一方、いつも定位置で営業している者はだいたい良心的。料金はまちまちだが、200円前後までが目安。
商店街など人の集まるところには公衆トイレが設置されている。高級ブティックやデパート、レストランの店内をのぞくとトイレは有料だ。料金は入口に表示されている(15~40円)。紙は用意されていない。トイレが見つからない場合にはモスク(ジャミ)を探してみよう。モスクには必ずトイレが用意されている( 有料)。ただし、モスクのトイレは汚いことが多い印象。
主力はバス(オトビュスotobüs)。大都市では路面電車(トラムウェイtramvay)や地下鉄(メトロmetro)、フェリー(ヴァプルvapur) などもある。
それぞれに専用の切符(ビレットbilet)が用意されており、乗り場ごとに切符売り場が設置されている(先払い)。しかしバスの場合、大きなバス停をのぞくと切符売り場がない。観光客は比較的大きなバス停からの利用が多いので困る場面は少ないが、必要に応じて切符の買い置きをするか、後述のプリペイド・チケットを用意。切符は購入した都市以外では通用しない。ヨーロッパでよくある乗り放題のフリー切符や、一定時間内なら乗り換えのできる切符は一般的ではない。
バスの場合、購入した切符を入口の回収箱に入れる。同じ街ならばバスの切符は共通で、まとめ買いしたものをどの路線でも使える。通常は1回乗るごとに切符1枚を入れるが、長距離路線には2枚必要な路線もある。
大都市で普及しつつある。バス、地下鉄など市内交通共通で利用でき、1枚ずつ切符を買うよりも割安になることが多い。通常の切符と同様、購入した都市以外では通用しない。
車は公営バスとほぼ同じだが、車体に「Özel Halk Otobüsü」の表記がある。路線番号も公営バスと同じで違いを意識せず利用できるが、公営バスの切符は使えず、運賃は車内で現金払い。イスタンブルでは事実上公共交通の一部に組み込まれていて、市内交通のプリペイド・チケットも共通で利用できる。
決まった路線を走る乗り合いタクシー。途中の好きなところで乗り降りできる。運賃はバスよりも高いがタクシーよりは断然安い。始発の乗り場では座席が全部埋まると発車、途中からは空席があれば乗車可能(ラッシュアワーには空席のある車が見つからず待たされる)。途中から乗るときは手を挙げても止まるが、目の前の道路を指さす習慣。途中で降りたいときのもっとも簡単な表現はイネジェクinecek。
車の種類は街によって違い、色も黄色が基本ではあるものの違う場合もある。イスタンブルではFordのミニバン型(客は7人)、トラブゾンやブルサでは普通のタクシーと同じ車(客は4人)。屋根にはdolmuşの標示や行き先の標示がある。
運賃は車が走り出してから現金で支払う。前後に3列座席のある車で後ろの方の席に座っている場合、前に座っている客がリレー式に運賃を運転手に回してゆき、釣りもまたリレー式に帰ってくる(このやりとりは非常にみごと)。真ん中の列に座る客が適当に運賃をとりまとめることもよくある。運賃をぼられることはまずないが、高額紙幣は避けた方がよい(釣銭の用意に手間取る)。
なお、ドルムシュでは女性の客を男性の客で挟まないという暗黙のルールがある。3人がけの座席で歩道側に女性が、反対側に男性が座っていたとして、途中で男性客をひろうとき、歩道側に座っていた女性はいったん席を立ち、男性客が真ん中に入ってから端の席に座り直す場面をよく見かける。
原則的にメーター制。運賃の目安は1kmあたり100円程度。人件費が安いトルコのタクシー運賃は、日本に比べると石油価格の変動に左右されやすいようだ。回り道をされたり、昼間なのに深夜メーターにされたりするトラブルがまれにある。メーターには運賃と交互に、昼間の運賃ならギュンデュズGündüz、深夜運賃ならゲジェGeceの文字が表示されるので確認。深夜運賃(5割増)は0:00~6:00。
不要。ただし、メーターの金額設定が細かすぎるせいで釣銭を用意できないことが多く、適当に繰り上げられたり繰り下げられたりする。トルコ人は客も運転手も無頓着だが、習慣の分からない外国人とはよくトラブルになる。
外国人の多いホテルやバスターミナル、駅前で客待ちしているタクシーには、タチの悪い運転手が目立つようだ。走っている車を「生け捕り」にした方がよい。ホテルで呼んでもらったタクシーはほぼ信用できる。日本とは違い自動ドアではない。男性客はひとりでも助手席に座っていることが多い。運転手がたばこを勧めてくれたり、新聞を貸してくれるのはごく普通のサービス(お節介とも言う)。
レンタカー(キラールク・アラバkiralık araba)はほかの物価と比べ非常に割高。地方の街から近くの観光地を訪ねるような場合には、タクシーを貸し切った方が安い。このような場合、運賃はメーターではなく事前に交渉する。メーターの場合よりもかなり安い運賃になることが普通。