http://turkey.tabino.info/ (1):表紙
オスマン帝国が次々と領土を縮小したイメージが強すぎるのか「トルコは小さい国」というイメージをもっている人が結構多い。しかし、実際の面積は日本の約2倍あり、非常に広い国である(日本も決して狭い国ではなく、世界で60位)。
国土の97%を占めるアナトリア側(小アジア側)は、イスタンブルからイラン国境までの東西方向が1700km。およそ下関から青森までの距離に相当する。南北方向にも「厚み」があり、黒海沿岸のゾングルダクから地中海沿岸のアダナまでは700km以上ある。日本の本州を3つ並べた広さが大ざっぱなイメージになる。
1週間の旅行ではイスタンブルにブルサやエディルネを加えるのがせいぜいで、地方を旅するには最低でも10日間は必要だ。まずはトルコは広いということを頭に入れて計画を立てないと、要人のように忙しい旅になったり、予定を消化できなくなる。
交通機関はイスタンブル、アンカラを中心に路線が設定されている。イスタンブルやアンカラとの間はスムーズだが、地方都市どうしの移動となると距離の割に時間がかかったり、本数が少なかったりする。回り道になるようでもイスタンブルやアンカラを経由するルートを選んだ方が、本数も頻繁で移動しやすいことがある。
国内交通の主力は長距離バス。全国くまなく走り回っている。しかし、イスタンブルやアンカラへ向かう路線がいちばん便利で、使っているバスもよい。外国人の好みそうな観光地どうしの移動(カッパドキア-パムッカレ、カッパドキア-エフェスなど)は主要ルートからはずれており、本数が少なくサービス水準も低い。
イスタンブル、アンカラ、そしてイズミルが鉄道路線の拠点だ。長距離バスに比べると路線は限られ、概してスピードも遅いが、時間帯や使い勝手のよい区間もある。寝台車を利用すれば、長距離バスよりも快適な移動ができる。旅程に工夫が必要になるが、長距離移動の疲労を避けられるよう利用すれば有効だ。
国内線はイスタンブルあるいはアンカラを起点に地方都市を結ぶものばかりで、地方都市どうしの移動には使えない。
気候は地域によってまったく違う。冬でも暖かな地域がある一方で、夏でも長袖が必要な地域もある。四季は比較的はっきりしており、季節に応じて楽しめる。個人的には静かに旅を楽しめる冬の方が気に入っている。しかし、ほかの季節と比べて雨の日が多く、観光地を中心に交通機関の運休や減便もあるなど、不便を感じる点もある。
イスタンブル周辺は東京とほぼ同じ。地中海、エーゲ海沿岸は東京よりも暖かい。アジア側の内陸は朝夕を中心に冷え込みが残るが、日中は十分旅行を楽しめるだろう。東部はまだ相当に冷え込んでいる。東京の真冬の服装が必要。黒海沿岸は東京とほぼ同じ。雨も春の東京とそう変わらない。
イスタンブル周辺は東京よりもやや過ごしやすい。地中海、エーゲ海沿岸は東京なみ。東南部は灼熱。7、8月の地中海、エーゲ海沿岸は混雑する。6月、9月なら快適。アジア側の内陸では日中は暑くなるが朝夕は涼しい。黒海沿岸は涼しい(海水浴は7月下旬~8月上旬)。雨は多いがほかの季節よりは少ない。
イスタンブル周辺は東京とほぼ同じ。地中海、エーゲ海沿岸は雨の日が増えてゆく。アジア側の内陸は朝夕冷え込む。重ね着できる服装を工夫。東部は東京の真冬の服装が必要。黒海沿岸は東京とほぼ同じだが雨は多い。
イスタンブル周辺は東京とほぼ同じ。比較的雨が多いが雪が降ることはめずらしい。地中海、エーゲ海沿岸は東京よりも暖かいが、雨の日はかなり多い。アジア側の内陸では朝夕を中心に相当冷え込み、雪も降る。しかし平地なら日本海側や北海道のような積雪量ではない。東部は極寒。エルズルムやカルス方面のスキー場は雪質が良い。黒海沿岸はそれほど冷え込まないが、雨の日は多い。
トルコにも日本の年末年始やお盆のような「民族大移動」がある。断食月ラマザン明けのシェケル・バイラム(断食をしない人-トルコでは珍しくない-でも休暇は取る)や、アブラハムの犠牲を祝うクルバン・バイラム前後の連休は交通機関が混雑し、満席が続くことも多い。これらはイスラム暦による祝日で、時期は毎年変動。トルコ政府観光局ウェブサイト(http://home.turkey.or.jp/)で確認。
世俗主義が定着しているトルコでは、断食月の間でも通常どおり営業している飲食店が多く、観光客にとっての不自由は少ない。シェケル・バイラムの混雑には注意が必要だが、その前約1カ月間の断食月中は普段とほぼ同じ旅行ができる。
学校の夏休みは6月中旬~9月中旬。シェケル・バイラムやクルバン・バイラムのような混雑の集中はないが、交通機関の手配は早めに。